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超SD戦国伝 覇大将軍

発売月は出版物などの資料を元に記述していますが、地域や店舗などによって発売日が異なっていた場合もあります。

No.170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180

超SD戦国伝 覇大将軍(トウハダイショウグン)

「超SD戦国伝」第2シリーズ。
コミカライズとして『超武者ガンダム 覇大将軍』(コミックボンボンで連載)がある。
ガシャポンのSDガンダムRにも本作のキャラクターがラインナップされたが、この年でSDガンダムRは最終弾となった。

登場人物を一新し、前作から100年余り未来の天宮での戦いを描く。
前作とは時代も大きく異なり登場人物の続投もないため、前作との直接的な連続性はこれまでより希薄だが、
鉄機武者の発展や魔界との戦いなど、前作までの流れを受け継ぐ物語となった。

当初は「新世武者軍団VS鉄機武者軍団」という構図で始まり、敵キャラの鉄機武者も多く発売されたため、
当初の敵味方共にラインナップが充実しているのが特徴。
更に天界武者や魔界武者といった新たな勢力も登場し、物語は魔界との戦いへとスケールが広がっていく。
全てのキットが巨大な武器を装備し、それを活かした多彩なギミックも持つ。

170

武者紅零斗丸(ムシャグレードマル)

1997.1

軽装タイプに鎧を装着できる武者紅零斗丸のキット。
さらに頭部の装備を換装する事で、将頑駄無戦刃丸や超将軍闘刃丸にも組み換えできる。
通常商品のほかにコミックボンボン誌上限定の懸賞品として銀メッキ+追加パーツ版、
またSD戦国伝10周年春のキャンペーンの賞品として金メッキ+追加パーツやクリアほか全10色など、
数多くのバリエーションが存在するとされる。

当時店頭キャンペーンなどで入手できた冊子「覇大将軍 秘伝の書」には
紅零斗丸はマスターグレード版ガンダムの武者版と記述されている。
ファーストガンダムをモチーフとしている事や、武者頑駄無を思わせるデザインも含めて
心機一転した新シリーズの第1弾である事を感じさせる、新たなスタンダードとなったキット。

戦刃丸や闘刃丸への組み替えには可逆性があるので組み換え後も自由に元に戻せるが、
3つ買って三兄弟を揃えてみるのも面白い。
巨大な烈龍刀に紅零斗丸を乗せる事もでき、腰の可動もライディングポーズに活きている。

連動キット・179

コミックワールド[162]第一話「鉄機武者軍団の反乱!!」

平和を保っていた天宮を襲った新たなる悲劇。それは武者三兄弟の長男・将頑駄無戦刃丸の死から始まった・・・。

武神輝羅鋼編の限定キットや大旋鬼、撃流破、店頭配布の「独占プラモ情報」などに掲載のコミックに続き、今作のコミックワールドもやまと虹一氏が担当。

前作までは5作連続でストーリーに連続性があったが、それゆえに地上最強編の武者衛府弓銃壱から見て武神輝羅鋼編の武羅星頑駄無は
妻の父の弟の息子かと思ったら実は自身の孫だったりなど設定は複雑化し、ストーリーの風呂敷は広がりきっていた。
本作は前作の続編とはいっても時代を100年以上空け、新登場のキャラクターのみで物語を展開する事で、
初めてのユーザーにとっての取っ付きやすさという、子供向け作品として重要な要素を満たしている。

そんな本作の第一話は、開始早々主要人物の一人が殺されるというかつてない展開で幕を開ける。
地上最強編第三章や超機動大将軍編と同じくクーデターのストーリーだが、国のトップが第一話で死亡するのは異例。
寝込みを襲われた戦刃丸は、鎧装着状態で布団の中にいる姿が何だか面白いが、軽装タイプだと
三兄弟全員同じで見分けがつかないためでもあろう。(実際、軽装時はどうやって見分けられているのだろうか?)
烈帝城はまたも前回(獣破コミック)とは屋根瓦の色が微妙に違う姿で登場するが、今回で超機動大将軍編に続いて再び崩落してしまう、悲遇の城。

171

鉄機武者真星勢多(テッキムシャマスターゼータ)

1997.2

軽装タイプに獣鉄の鎧を装着した鉄機武者真星勢多を、獣鉄突撃形態にもできるキット。

設定上の設計の基である輝神大将軍 獅龍凰のイメージを盛り込み、かつての大将軍のデザインやギミックを
500円のキットで再現するという、七人の超将軍と同じような事を新〜超SD戦国伝の大将軍で行ったキットの一つ。
獣翼、獣牙、獣角の三つの獣鉄の鎧は頭部と両肩にそれぞれ装着できるが、位置は自由に入れ替える事も可能。
鉄斬刀はいわゆるモンキーレンチと同じ構造で、挟む部分の間隔を無段階に調整できる。
鉄斬刀にはスプリングも内蔵し、獣鉄の鎧を弾き飛ばす事も可能。

これまでの作品のように序盤の数キットで主人公を含む一つのチームを揃えるのではなく、
第2弾キットを主人公のライバルとする事で、当初から対決構図で遊ぶ事ができるようになった。

コミックワールド[163]第ニ話「対決!紅零斗丸対真星勢多!!」

鉄機武者真星勢多こそが兄の仇と信じる武者紅零斗丸は天宮を後にし、辿り着いた鉱山で彼に一騎打ちを挑む。

第二話で早くも主人公とライバルの対決が実現、しかし怒りに任せて振るう紅零斗丸の剣は
鉄機武者真星勢多に傷一つつけることもできず、あえなく敗北してしまう。
鋼丸と爆進丸の兄弟から始まった鉄機武者は、本作では軍団を形成するほどに規模を拡大させており、
百年という時間の経過を感じさせる。

真星勢多の周りに下忍悪魅がいるのを見てもこの事件を単なる鉄機武者の反乱としか思わないあたり、
少なくとも紅零斗丸は下忍悪魅を鉄機武者と思っているようである。

172

豪剣頑駄無(ゴウケンガンダム)

1997.3

豪鉄剣臣形態にも変形できる豪剣頑駄無のキット。
当時のキット以外に、2010年以降の再販で輝羅鋼の装飾をシールに変更した輝羅鋼極彩verが存在する。

本作唯一のリアル形態変形ギミックを持つキットは意外にも鉄機武者ではなく、半鉄機のこのキット。
当初の敵側のキットも多くラインナップされた関係で、主人公と同じ組織に属する味方側のキットはこのキットのみ。
(この豪剣も現在は隠居している設定であるため、純然たる新世武者軍団のキットは紅零斗丸のみともいえる)

通常のメッキパーツはないが、合体して輝羅星刃となる七本の剣は全て輝羅鋼仕様(輝羅鋼極彩verではシール)。
本作のキットは全てパッケージに「協力:講談社月刊コミックボンボン」だけでなくコミックボンボンの
ロゴも印刷されているが、2007年のボンボン休刊より後に発売された輝羅鋼極彩verでは
パッケージの写真変更と共に、ボンボンのロゴも削除されている。

連動キット・289

コミックワールド[164]第三話「うなれ輝羅星刃!豪鉄剣臣形態!!」

師匠の豪剣頑駄無に救われた紅零斗丸は、再び彼に修業を受ける中で、心・技・体の極意を説かれ・・・

復讐に取り憑かれていた紅零斗丸に正しき道を教えたのは、師匠の豪剣の言葉と、野良犬の親子であった。
豪鉄剣臣形態に変形する能力を持ち、明らかに現在の新世武者軍団の誰よりも強い豪剣だが、
自ら陣頭に立って戦う事はせず、血を流さずに戦いを終わらせる道を探る。
それはかつての仲間である鉄機武者軍団が反乱を起こしたという事実に疑問を持ったからでもあるだろう。

だがその野良犬も下忍悪魅の手に掛かったという事実が、このまま手をこまねいている猶予もないという事を意味している。
とはいえ紅零斗丸が復讐心に囚われ続ければ闇に堕ちていた可能性さえ否定できず、それこそ真の黒幕の思う壺であったかもしれない。

173

鉄機将飛閃(テッキショウヒセン)

1997.4

軽装タイプに鳥獣鉄の鎧を装着した鉄機将飛閃を鉄仮面武装形態にもできるキット。
獣飛、獣射、獣爆の三つの鳥獣鉄の鎧は獣飛と獣射が合体して翔翼形態に、三つ全てが合体して
大翔翼形態になり、軽装タイプは破空貫通撃形態にも変形できる。

三つの鎧や角飾りは真星勢多のそれと自由に交換が可能。
名槍・斬馬と双斬の楯は合体して更に巨大な双斬馬剣にもなる。
新世武者用か鉄機武者用にできる汎用武器の震激槍と岩砕刀も付属。

飛駆鳥大将軍のデータを基に設計されたという設定で、それが真星勢多同様デザインなどに現れている。
飛駆鳥大将軍のコンセプトを取り入れた500円キットとしては飛駆鳥バージョンの武零斗もあったが、
そちらは本人という事もあって特徴をほぼそっくり受け継いでいたのに対し、このキットは鳥以外に獅子も
モチーフに取り入れ、鎧は三つのうち二つが合体した支援メカ形態もあるなど、独自性も加わっている。

コミックワールド[165]第四話「鉄機武者軍団の将、その名は飛閃!!」

豪剣はかつて武者と鉄機武者が協力した闇との戦いを語る。しかしその間にも現在の戦局は激化を止めず、ついに総攻撃が始まった!

今回で初めてこの物語のキーとなる烈龍刀にまつわる伝説が語られる。
烈龍刀を含む三本の刀で天宮を救った三人の大将軍も描かれているが、詳しい姿や名前はBB戦士の印刷物だけでは分からない。
この三人はコミックボンボンで募集された転生大将軍コンテストの優秀作品が元になったもので、97年4月号に名前含め掲載されている。
ちなみに超機動闇将軍も5月号などに掲載されており、このコミックにも登場した魔殺駆ヘッドのほかに
若殺駆頭ヘッドや真闇元帥ヘッドのものなどが存在する事が分かる。

既に模型情報も休刊して久しく、更にBB情報局も付属しなくなった当時のSD戦国伝は、これまで以上にコミックボンボンが
重要な副読本となっており、パッケージにボンボンのロゴがあるのも決して大きな意味がないとはいえない。

174

烈龍頑駄無(レツリュウガンダム)

1997.5

軽装タイプに鎧を装着した烈龍頑駄無を、天翔龍神形態にも変形できるキット。
軽装タイプは超機動大将軍に搭乗する事が可能。

ラメ入りクリアパーツで成型された鎧を持つ天界武者の第一弾。
龍神の鉞は四閃爪の槍と合体が可能で、二つ折りに畳まれた刃が開く事で
天翔龍神形態の翼となり、鉞の上部と四閃爪の槍が頭部と尾も形成する。
超機動大将軍と合体できるため、兜は武者號斗丸や爆王頑駄無とも交換が可能。

頭部と下半身がダイレクトに一本の軸で繋がっており、その軸が中を通る胸部は
軸との嵌め合いが甘くなっているため、両腕を含む胴体が回転する竜巻怒龍斬のアクションが再現可能。
天界武者のキットだが、新世武者用の汎用武器の討撃剣も付属。

連動キット・153

コミックワールド[166]第五話「封印されし武者、烈龍復活!!」

亀裂の入った烈龍刀から突如出現した烈龍頑駄無が、戦場狭しと暴れ回った!

前回の戦いよりも一回り成長した紅零斗丸と、鉄機武者真星勢多との再戦。
しかしその中、烈龍刀に天界武者が封印されていた事が判明する驚きの事態。
仲裁をするつもりだった豪剣も、予想外の展開に半ギレ。
だが、烈龍刀に秘められた謎の正体とは、果たしてこれだけなのか・・・・?

その烈龍頑駄無によって、BB情報局vol.6で天に帰ったと書かれていた超機動大将軍も召喚され、
超機動闇将軍との対決も始まり、ますます戦いは収拾不可能の様相を呈する。
烈龍付属の印刷物(再販では付かない場合もある)では烈龍は號斗丸以上に超機動大将軍の力を引き出せると
あるが、天鎧王と魔星が融合した覇道大将軍に競り勝った力でさえ、本来のレベルではなかったとすると底知れない。

175

爆炎頑駄無(バクエンガンダム)

1997.6

軽装タイプに鎧を装着した爆炎頑駄無を、巨大爆炎砲形態にも変形できるキット。
胸部のシールは爆炎用の炎機章のほかに、爆火隊一般隊員用の火機章も付属。

新世武者軍団と鉄機武者軍団のそれぞれ3部隊の各隊長、計6人の中で唯一のキット化。
移動砲台に変形し、車輪となる両肩の甲鉄輪は回転可能。
巨大な爆炎粉砕砲は久しぶりに弾丸発射ギミックを持ち、しかも豪華二代目大将軍以来となるBB弾を発射可能。
現時点ではBB弾を発射できるBB戦士は新規金型としてはこのキットが最新となる
(流用商品も含めると最新は2008年発売の逆襲のシャアセット)。弾倉も備えており、連射も可能。

鉄機武者用汎用武器の双爆星銃と業火の斧も付属。

コミックワールド[167]第六話「鉄機武者軍団、総攻撃!!」

一騎当千の超機動大将軍にも臆せず、爆炎頑駄無ら砲術隊は攻撃を仕掛ける。対する紅零斗丸も黄破猛襲隊と共に打って出る!

今回のコミックで爆炎頑駄無率いる砲術隊と、鬼功頑駄無率いる黄破猛襲隊が登場する。
同年のボンボン夏増刊号にはやまと氏による『青斬抜刀隊血風録』が掲載され、その中では青斬抜刀隊と鉄剣隊も登場。
これら爆炎以外の隊長と隊員は過去のBB戦士のミキシングで作れるデザインになっており、
飛閃以降のキットに付いている汎用武器なども含め、本作は既存のキットを利用して大軍団を作れるよう意図されている。

このコミックで爆炎の隣に描かれている砲術隊員は、ボンボン9月号に「砲術隊」の部隊名で掲載されている4人の作例のうち
烈光頑駄無をベースにしていると見られる2体のうちの一つとデザインが一致し、名前は5月号などで砲術隊の名前一覧(絵は無し)として
厳命破,厳光破,邪封破,剣聖破と記されているのでこのどれかという事になる。このコミックの黄破猛襲隊の隊員は9月号作例の同名部隊とは
一人もデザインが一致せず、10月号の神田正宏版コミック第10話に登場する攻撃飛行隊には似ているが、人名の記載はない。

176

天界武将戦刃丸(テンカイブショウセンジンマル)

1997.7

軽装タイプに鎧を装着した天界武将戦刃丸と神馬・天雷轟のセットで、天雷轟に戦刃丸を乗せる事ができ、
天雷轟の装身具を戦刃丸に装着して天鎧武装にもできるキット。
天雷轟は神砕魔戦弩に変形も可能。
通常商品のほかに、パワフルキャンペーンの賞品としてフルカラーメッキ版が存在するとされる。

紅零斗丸の組み換えで作る事ができた戦刃丸が、第一話で死亡後天界武者にパワーアップして復活。
本作はここまでの時点で豪剣とこのキットの1000円が最高額であるため、このキットが中盤の大型商品に当たる。
中盤や終盤のキットの高額化は武神輝羅鋼編がピークだったと言えよう。

神馬・天雷轟は巨大な弓に変形し、雷槍の矢を発射可能。
SD戦国伝で弓を持つキットの中でも、矢を発射できるのは初(外見的にはボーガンに近いが)。
天界武者用の汎用武器、流剣扇と慶天の扇も付属。

コミックワールド[168]第七話「弟達を救え!戦刃丸天より復活!!」

鉄機武者に特攻しようとする紅零斗丸の脳裏に響いてきた、懐かしい声。天界武者となった戦刃丸が地上に降り立った!

兄の仇を討つために自らの命も投げ出そうとした紅零斗丸を止めたのは、他ならぬその兄の言葉であった。
これにより、主人公の必殺技の巨刃大津波はBB戦士では不発に終わり、成功が見られるのはボンボン版のみとなった。

爆炎率いる爆火隊の一般隊員も巨大爆炎砲形態で登場し、このコミックや独占プラモ情報武者その3に掲載の
やまと氏描き下ろしコミックなどでは一般隊員の角は真紅主と同形状。
その他ボンボン5月号に設定画が載っていた堂徒礼守、然弐主、高暴留、高雑魚など両軍団共に登場キャラの多い合戦編。
堂徒礼守と然弐主もガンダムXコレクションのドートレスとジェニスの改造で作れるよう配慮したものと思われ、
当時のボンボンなどには作例も掲載されていた。

戦刃丸によって戦いの黒幕の影が見えてきた矢先、ついに闘刃丸までもが戦死してしまう。
立場的には繰り上がりで紅零斗丸が軍団のトップに立つ事になるのだろうが、いずれにせよ頑駄無軍団にとっては絶体絶命的状況。

177

烈風頑駄無(レップウガンダム)

1997.8

軽装タイプに鎧を装着できる烈風頑駄無のキット。

鎧だけでなく軽装タイプも含めて本体は腕以外ほぼラメ入りクリアレッドという色使いが特徴的な天界武者。
風車のような形状の風手裏剣は四枚の羽が連動して同時に動くよう設計され、
羽同士が密着した状態から、全て開いた状態へと1アクションで展開可能。
中心軸はフリーとなっているため回転が可能であり、可動アーム(武器機腕)の先に接続して
手に持たせたり(風覇戦陣形態)、上に乗ったり(超高速移動術・風の舞い)なども可能。

風手裏剣の中心軸に挿す轟嵐爆星からは弾丸も発射可能。
天界武者汎用武器の重甲の大楯も付属しているが、風手裏剣も手に持たせると巨大な盾のようでもある。

コミックワールド[169]第八話「正体見たり!真の敵現る!!」

真星勢多を操っていた魔刃頑駄無が姿を現し、烈風頑駄無ら天界武者、そして地上の武者との全面戦争が始まった!

またも兄を失いながらも、涙を流す暇も与えられず戦い続ける紅零斗丸。
しかしこれまでで一番の怒りを込めた刃が真星勢多の鉄斬刀とぶつかり合った時、烈龍刀は真の姿である覇壱號剣となった。
同時に鉄斬刀も覇弐號剣となった事で同じく覇剣の一つだった事が判明し、更に真星勢多の鉄機心得も爆発した。
そして豪剣に渡された本物の鉄機心得を組み込んだ事で、真星勢多は正義の心を取り戻す。

その次のコマで黒幕の魔刃頑駄無(正確には魔刃冥皇殿)が出現し、更に次のコマで烈風頑駄無が登場するという怒濤の展開。
特に烈風は名前どころか天界武者である事すら説明もなく参戦しているため、彼が三本目の覇剣について語っていた時も
天界関係者以外の多くは「えっ、あんた誰?」と思っていたであろう事は想像に難くない。
ともあれ戦いは四大勢力が出揃い、紅零斗丸たちは倒すべき真の敵を見据えていく。

178

魔刃頑駄無(マジンガンダム)

1997.9

軽装タイプに鎧を装着できる魔刃頑駄無のキット。
通常商品のほかに2002年1月前後にコミックボンボン誌上限定販売された堕悪魔刃頑駄無などが存在するとされる。
機動武神天鎧王の神顔形態と、足を除いた魔刃を組み合わせる事で魔刃冥皇殿を作る事も可能。
魔刃と天鎧王そのままの色で合体させても設定どおりの魔刃冥皇殿のカラーリングにはならず、
コミックボンボン1997年12月号の裏表紙の広告などには魔刃冥皇殿の塗装作例も掲載されていた。

大鎌ファントムハーケンは柄から刃先までを一直線に伸ばした状態からL字の状態へと
スプリングで刃がアクションするギミックがある。

鉄機武者のキットに取り付けられるわけではないが、鉄機心得も本物と偽者の2つが付属している。
魔界武者の汎用武器として魔角の軍配とシュトロームも付属。
これまで詳細不明だった天界や魔界からもキャラクターがキット化された事で、SD戦国伝の世界観は一層ディティールが固められた。

連動キット・147

コミックワールド[170]第九話「奇跡の融合!紅零斗大将軍誕生!!」

悲しみを乗り越えて戦う男と十字架を背負って戦う男、二人の剣が一つとなった時、新たなる大将軍が誕生した!

三本目の覇剣は魔刃の手中にある事が判明し、覇剣同士の戦いが始まる。
覇参號剣の攻撃に対し烈風の風手裏剣は大して役に立たなかったが、紅零斗丸と真星勢多が覇剣で受け止めた時、
覇剣の力がまた一つ明らかとなる。

二人が融合して大将軍となった事で、長らく不在となっていた大将軍が復活する事となり、
紅零斗と真星勢多どちらの大将軍でもある状態を、右半身が真星勢多大将軍、左半身が紅零斗大将軍という姿で表現された。
これにより新世武者軍団と鉄機武者軍団もまた、再び一つの頑駄無軍団となる。
協力して魔刃に立ち向かっているため、飛閃たちの鉄機心得も元に戻ったようである。

179

魂武者闘刃丸(スピリットムシャトウジンマル)

1997.10

軽装タイプに鎧を装着できる魂武者闘刃丸のキット。

鎧や本体の多くがクリアパーツだった烈龍や烈風を越えて、
ついに限定クリア版のような通常商品が登場。
全身が薄いクリアブルーで透き通っており、魂のみで実体がないという設定を成型色で表現している。

唯一の実体である神呼斗魂を胴体内に組み込み、外から透けて見えるのも面白い。
黎明の矛と東雲の矛は合体して宝輝閃霊の槍となり、東雲の矛は2つの刃が開いた状態から
スプリングで刃が閉じるギミックもある。新世武者軍団用汎用武器の玉梓の槍と宝来の剣も付属。
紅零斗丸に付属の超将軍闘刃丸の頭部装備を装着する事も可能。

連動キット・170

コミックワールド[171]第十話「魂は不滅!三兄弟再び集う!!」

一条の光が闇を切り裂いた時、烈帝城の三勇士が新たな姿で並び立つ。そして、三本の覇剣も結集した!!

大将軍にパワーアップした紅零斗丸と真星勢多に加え、天界武将と天界武者である戦刃丸や烈龍たち、さらに豪剣など
これだけの戦力が手を組めば敵はないようにも思えるが、魔刃は彼らをも全滅させかねないほどの術を繰り出し、大将軍は窮地を迎える。
今回はほとんど紅零斗大将軍の姿で登場しているが、気を吸収する結界の中では真星勢多大将軍になっており、
全身真星勢多大将軍の状態で登場するのは全編でこのコマが唯一。

しかし、武者三兄弟で唯一戦線離脱していた闘刃丸が魂武者として帰還した事で、三兄弟が全員神々しい姿で揃い踏みする。
しかも烈龍によって覇参號剣が奪い返されるが、魔刃もすぐさまファントムハーケンの技に切り替えるなど、繰り出す手が途切れない。
魂武者闘刃丸の初期箱ではさりげなく魔界の王子とも書かれている魔刃だが、
魔界の王から鎧を授かれる立場である事を考えても、只者ではない事が窺える。

180

覇大将軍(トウハダイショウグン)

1997.11

紅零斗大将軍や真星勢多大将軍にも変形できる覇大将軍のキット。

赤を基調とした紅零斗大将軍から青が基調の真星勢多大将軍へ顔面も含めて全身の姿が変わり、
更に両方の特徴を合わせ持って金色の比重も増えた覇大将軍へも変形するアイディアの秀逸なキット。
クリアレッドの覇壱號剣とクリアブルーの覇弐號剣が合体して覇封心剣に、
更に金メッキの覇参號剣とも合体して大覇剣になり、金以外に銀メッキパーツも一部に使用している。

鎧の着脱や鳳凰への変形など大将軍の定番ギミックがないのは、3つの大将軍形態への変形(覇大将軍形態では
余剰パーツも発生しない)という複雑な構造に全てを注ぎ込んでいるからでもあるだろう。
武器のグリップの太さは500円キットとも共通であるため、本作のこれまでのキットの巨大な武器を
覇大将軍に装備させるとサイズ的にちょうどいいのも魅力的(紅零斗丸や真星勢多や魔刃に覇剣を装備させる事も可能)。

コミックワールド[172]最終話「圧倒的強さ!三軍団の守護神、覇大将軍!!」

三本の覇剣が紅零斗丸と真星勢多を天地神明の極みへと導く。二人の戦いは今、新たな伝説となる。

三本の覇剣の合体した大覇剣、そして武者、鉄機、天界の力を合わせ持つ覇大将軍、それこそが覇伝説の先にある答えであった。
かつて三人の大将軍が三本の覇剣で闇を振り払った伝説が、ここに甦った。魔刃がせっかく盗んだ覇参號剣を持ち出して
攻撃してきたのは「奪い返されるはずなどない」という絶対的自信からだったのだろうが、その自信が身を滅ぼす事となった。
ちなみに「覇大将軍 秘伝の書」では飛閃のコミック辺り以降の戦いが「悪無覇域夢山麓の戦い」と呼ばれており、実は今回も
悪無覇域夢山で戦っていたようである。建物などの町並みも描かれているが、この時代にはこの周辺も開けているのかもしれない。

天界との共闘による魔界との直接対決というSD戦国伝史上最大規模の戦いは、覇天動斬の一太刀で終止符が打たれた。
戦刃丸達も天に還り、新たな時代は紅零斗丸や真星勢多ら地上の人々に託され、歴史は未来へと続いていく。
それはいいとして、「完」の字の隣で豪剣達と一緒に烈風もさりげなく並んでいるが、天界武者なのに帰らないのか?