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BB戦士目録&SD戦国伝各話解説

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超SD戦国伝 覇大将軍

発売月は出版物などの資料を元に記述していますが、地域や店舗などによって発売日が異なっていた場合もあります。

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新SD戦国伝 地上最強編

『新SD戦国伝』シリーズ第1弾。
BB戦士のほかにカードダス、ガシャポンなどでも展開した。同タイトルのゲームボーイソフトも発売。
コミカライズとして『SD武者ガンダム風雲録』がある(デラックスボンボンに連載)。
元祖SDでも発売が予定されていると言われていたが結局発売されず、この年の元祖の武者は雷帝千生神将軍のみであった。
逆に本作第一弾の白龍頑駄無から次作第一弾の烈光頑駄無までの間BB戦士は武者しか発売しておらず、住み分けがはっきりし始めた時期でもある。

武者七人衆編、風林火山編の最終回はどちらも次作第一話への橋渡しとなる内容だったが、
天下統一編の最終回は初代大将軍の時代に歴代大将軍が集結して黒魔神闇皇帝を倒すという、大団円を迎えた。
その後日談は映画などで語られたのみで、物語としては終息した。
よって新たなベクトルの物語として始まった本作は、これまでの舞台でもあった天宮のほかに
影舞乱夢と赤流火穏を加えた三国での出来事をそれぞれ描き、最終章でそれらの主人公達が一同に会し物語が決着するという構成が特徴。

キットの仕様は概ね天下統一編のものを継承したが、成型色は少なくなった。
しかしデザインの工夫などにより、塗装がどうしても必要という印象の箇所は少ない。
悪役のキットは一切発売されていないが、闇大帝も含めて多くの悪役は既存キットの改造で作れるようデザインされている。

第一章 竜虎、相見える!

97

白龍頑駄無(ハクリュウガンダム)

1992.2

軽装タイプに鎧を装着できる白龍頑駄無と、白龍を乗せられる龍馬「白」のセット。
カブトの意匠や全身の装飾パターンなどにより、見事にこれまでの「日本風武者」と一線を画すスタイルとなっている。
龍馬の旗は説明書に印刷されているものを切り取って使うというのは騎士ガンダムのマントなどと同じだが、
プラ製の旗竿との接続が紙シール2枚のみで丈夫とは言えず、切れやすいのが難点。

今石氏原画のボックスアートの彩色は、モビルスーツ戦国伝なども担当していた開田裕治氏。
これまでのBB戦士の箱絵とは異なり、開田氏によるリアルガンプラの箱絵のように背景まで細かく描き込まれた一つの情景となっている。
当初はバンダイのデザイン部門自身が原稿をデジタル編集しようとしたが、当時使用していたパソコンでは処理できないほどデータ容量が大きくて断念したとの事。


連動キット・98 99 107 143 157

コミックワールド[91]

国を治める龍帝を黄虎璽によって殺害され、征服された影舞乱夢。今ここに龍帝の子孫、白龍頑駄無が立ち上がる。

舞台、ストーリー、キャラクターとも完全に新たなスタートを切った第一話。
時代については当時「天下統一編の何十年か後」と記述した資料もあった。
2012年に発売されたレジェンドBB武者號斗丸では、本作(の一年後の伝説の大将軍編)の時代を天下統一編で黒魔神闇皇帝が倒されてから約百年後としている。

白龍は和魂をどのようにして入手したのか不明だが、後に臥龍頑駄無が龍馬を授けている事からも、白龍は臥龍たちに未来を託された存在だったと見られる。
しかしこの龍帝の血を引く者対黄虎璽という戦いに、当初から大光帝と闇大帝が関わっていたかは、はっきりとは分からない。
龍帝一族と黄虎賊の抗争の発端はかなり古いと見られる(あるいは天下統一編より前の可能性もある)が、
少なくとも現在の時代においては大光帝と闇大帝がそれぞれの立場に味方していたという事だ。

98

青龍頑駄無(セイリュウガンダム)

1992.3

軽装タイプに鎧を装着できる青龍頑駄無と、青龍を乗せられる龍馬「蒼」のセット。
竜馬に乗せられる点や旗などの仕様は白龍と共通。

説明書では「BB戦士改造倶楽部」として臥龍頑駄無や黄虎賊の作例が掲載されている。
当時の出版物にはこれらの完成前状態や背面などを掲載したものもあり、幻殺は特徴的な背面までしっかり作っている事が分かる。

連動キット・97 99 107 115 143 157

コミックワールド[92]

鎧袖一触、黄虎賊を蹴散らした青龍頑駄無は、白龍を義勇軍の頭領、赤龍頑駄無に引き合わせる。

2話目にして黄虎璽が登場するなど、展開が速い第2話。ストーリー的には祖国奪還を狙う王族の末裔という、歴史物の王道である。
義勇軍のアジトには武神頑駄無の像が建っており、武神が元いた異国というのがこの影舞乱夢であった事が分かる。(まあ、目も同じだし)

青龍が龍帝の子孫の白龍に出会ったことは、戦力的な意味以外でも幸運であった。
征服とはいえ国を治める事が目的の黄虎璽を倒すからには、その代わりに誰かが国を治めなければならないからである。
(そしてそれは民の信任を得られる人物でなければ、第二の黄虎璽にしかならない。)
当初は青龍か赤龍が国を治めるつもりだったのかもしれないが、白龍を見つけたことで「龍帝王朝の復活」という願ってもないチャンスが訪れた事になる。

金剛破空斬のコマではよく見ると幻殺もやられている。

99

赤龍頑駄無(セキリュウガンダム)

1992.4

軽装タイプ(レッドウォーリア)に鎧を装着してできる赤龍頑駄無と、赤龍を乗せられる龍馬「紅」のセット。
また白龍、青龍と合わせて3キットの龍馬を合体させる事で『天龍馬』を完成させる事ができ、このキットの説明書で作り方が説明されている。

レッドウォーリアとして組み立てる場合、普通に作ると目が影舞乱夢人になってしまうが、
ガンダム野郎版として作るならファーストガンダム大将軍の瞳なし目シールなどを使用してみるのもよい。
プラモ狂四郎当時はキット化されなかったレッドウォーリアだが、この前年の麗騎士など、この時期にSDでのキット化が集中した。

連動キット・97 98 107 115 143 157

コミックワールド[93]

黄虎璽に挑む白龍らに、三頭の龍馬が合体した天龍馬が力を貸した!

敵ボスであると思われた黄虎璽が早くも倒されてしまい、そしてこの説明書内の記事で
次回から新たな主人公が登場する事が示唆されるという、色々な意味で意外だった第3話。
白龍達にとっても長年の仇敵である黄虎璽がさらに上の何者かに命令されていたに過ぎず、
それを倒すまで戦いが終わらないという事は意外だっただろう。
(当然ながら、その何者かは黄虎璽より強い事が予想されるのである。)

台詞もなく倒された幻殺を除いて頭目クラス以上が全員敵前で名乗っている黄虎賊は、意外と礼儀正しい?

100

千生大将軍(センナリダイショウグン)

1992.4

軽装タイプに鎧を装着できる千生将軍と、千生鳳凰や大爆火蜥蜴に変形する鎧のセットで、千生将軍に鎧を装着して千生大将軍にできるキット。
通常商品のほかに、コミックボンボン誌上限定として天地大河スペシャル、
第48回全日本模型ホビーショー限定として白部分をメッキ化して雷帝千生神将軍の鎧も付属したセット版などが存在する。
また、千生将軍のみ武者多威無掘駆主・弐セットとしてクリア版も存在する。

このキットは『地上最強編』ではなく、BB戦士100番を記念した商品で、千生将軍は金メッキ、パッケージにも金色の特殊印刷が使われているなど豪華な仕様。
「千生将軍」自体は91年頃から『超戦士ガンダム野郎』などに登場していたが、千生大将軍もこのキットが発売される少し前から登場している。
これにより農丸、改造で作れる大福将軍に続いて3体目の大河オリジナル機をキットで手に取れるようになった。
本体と種子島武衛須馬を繋ぐスプリングジョイントは武衛須馬の位置が落ち着かないのが難点だが、可動の自由が利くようにとの意図もあったのだろう。

連動キット・133

コミックワールド[94]

いつとも知れぬ時代。悪ガキから助けてくれた千生将軍に対し、サラマンダーは・・・

作風的にはノーマルSDや騎士、コマンドなどのコミックワールドに近いギャグ漫画だが、「SD戦国伝」ではある作品。
殺駆三兄弟の孫が登場している事などを考えれば、天下統一編や地上最強編との時系列的関係もある程度想像できるだろう。

バナナは今石氏も好物との事。
それにしても謎なのがサラマンダーである。れっきとした頑駄無結晶を授ける力を持つなど、何者なのか分からないが、
とりあえずSD戦国伝本伝でも大将軍の選任役がこのサラマンダーだったら、歴代大将軍は皆着任時に全治3ヶ月になってしまう。 光るだけの鳥でよかった。

第二章 大蛇飛駆塞虫の襲来!

101

武者衛府弓銃壱(ムシャエフキュウジュウイチ)

1992.5

軽装タイプに鎧を装着した武勇形態から、変形して強化形態にできる武者衛府弓銃壱のキット。
右ではあるが腰に刀を携え、ネーミングも「武者○○」という、久々に武者らしい武者。
デザイン的にも風林火山編より未来である事を感じさせる、新時代的な雰囲気。
この時期のSD作品では最も多くモチーフに取り入れられたF91(ちーびー戦士の場合11種中4種がF91)を武者で唯一名に冠したキット。

ちなみに現実の剣術では左利きの場合であっても右腰に刀を携行する事は基本的にないらしい。フィクションの世界では丹下左善などの例もある。
左手の薬指に指輪のようなモールドがある件については、新装版ガンダム野郎1巻に解説あり。

連動キット・102 103 107 141

コミックワールド[95]

武者衛府弓銃壱は、猛者一族の略奪に遭った鉱山に駆けつけた。それは天宮の歴史を揺るがす巨大な戦いの発端だった。

SD戦国伝の基本的な舞台である天宮を第一章でなく第二章に持ってくるというのも意外性がある。
(といっても本作の時点では第二章が旧作と舞台を共有しているという設定は、悪無覇域夢山が描かれている事と
冒頭の文章でそれとなく示される程度だった。「天宮」という単語が登場したのも今回が初。)

猛者飛銀が和魂を使って企んでいた野望とは、別媒体によると世界征服らしい。
しかし和魂を手に入れた衛府弓銃壱が後に新世大将軍として天宮を治める事になった事を考えると、
世界征服の第一歩として和魂入手という発想はあながち間違っていないかもしれない。
ちなみに、悪無覇域夢山で修行していた轟天頑駄無が夢の中で「輝く鳥」と出会ったのはほぼこのあたりの時期である。

102

武者激闘頑駄無(ムシャヘビーガンダム)

1992.6

軽装タイプに鎧を装着した武勇形態から、変形して強化形態にできる武者激闘頑駄無のキット。
また、機動力強化武具は武者衛府弓銃壱に装着して最強形態にする事ができる。

「武者○○頑駄無」というネーミングも久々。(というか、総漢字表記のキット名を持つものとしては初めてだったりする。)
目までゴーグルで覆われてしまう強化形態が特徴的。
密林の摩亜屈以来久々の、左右の腰に刀を据えた二刀流武者でもある。
ヘビーガンダムとはキャノンの位置が左右逆になっているのはギミックの都合でもあるが、
全武装の肩鎧を使用してヘビーと同じ右肩キャノンにしてみるのも面白い。

連動キット・101 103 107 113 141

コミックワールド[96]

猛者一族を追った衛府弓銃壱達を待ち受けていたのは、天宮各地を壊滅に追いやった大蛇飛駆塞虫だった。

やはり展開の早いストーリー。
第二章のストーリーの骨子は、言うなれば武者衛府弓銃壱らと猛者一族、大蛇飛駆塞虫一味による和魂争奪戦である。
そのいずれに和魂が渡るかによって、天宮の運命が決まる。しかし猛者一族も早々に倒されたようで、彼らの野望は夢と消えた。
そもそも猛者一族に和魂を奪われた時に衛府弓銃壱達に助けを求めている時点で、新慈絵丸としても猛者飛銀にはあまり渡したくなかったのかもしれない。

前回でヘッポコ侍呼ばわりされた彼らも九尾犬を倒して汚名返上といった所か。

103

武者全武装頑駄無(ムシャフルアーマーガンダム)

1992.7

軽装タイプに鎧を装着した武勇形態から、変形して強化形態にできる武者全武装頑駄無のキット。
また、武器を組み合わせて作る攻撃力強化武具を、武者激闘の格闘能力強化武具と交換する事で、両者を最強形態にする事ができる。
さらに衛府弓銃壱も含めた3キットの大砲を合体させる事で最強破壊砲も作る事ができる。

そもそも鎧を着ている武者頑駄無は基本的にみなフルアーマーではあるが、文字通り全身を鎧や武器で武装した姿が特徴的。両肩の鎧などは激闘と同じ意匠。
ちなみに激闘の格闘能力強化武具には前後面の黒い部分のシールが付いていないが、全武装には前後両面とも付いているため、激闘に使用する事もできる。
説明書では全武装のみ最強形態の作り方が書かれてなかったりする。(まぁ、説明も何も一目瞭然だし)。

連動キット・101 102 107 113 141

コミックワールド[97]

三人の武者は最強形態となり、大蛇飛駆塞虫に向かって最強破壊砲を放った!

和魂は最終的に大蛇飛駆塞虫を倒した衛府弓銃壱達の手に渡った。
新慈絵丸も臥龍頑駄無と同じく、衛府弓銃壱達に地上の運命を託したのだろう。

第一章最終回と同様合体アイテムが登場している他、さらにもう一つの連動ギミックである最強形態も同時にお披露目しているが、
激闘が最強形態の名にふさわしく武装たんまりだったのは・・・ほんの一瞬だった。

第三章 地獄牙兄弟の反乱

104

阿修羅頑駄無(アシュラガンダム)

1992.8

軽装タイプに鎧を装着した阿修羅頑駄無を変形させて阿修羅王モードにできるキット。

武装が豊富に付属する。頭部の前面に面を被る方式が、これまでの天宮人、影舞乱夢人にはない特徴。
(ただしこれは、赤流火穏人全てに共通する仕様という訳ではない。)
SD戦国伝シリーズで初めて弾丸発射ギミックがなく、スプリングはウイングが開くアクションに使われている。
ウイングは閉じっぱなしにしているとプラに負荷がかかり続け、折れる原因になるので保管時は開くのを推奨。

連動キット・105 106 107 144

コミックワールド[98]

赤流火穏の国王、鐘馗頑駄無が行方不明になった。事件の首謀者は鐘馗の配下、地獄牙兄弟だった!

新登場の赤流火穏はインド風の世界。実際のインドと違うのは漢字を使っている事。
それでも阿修羅(アスラ)、羅刹(ラクシャーサ)、夜叉(ヤクシャ)などインド神話由来の単語を使っている設定はさすが。

邪兵影鋭たちでは阿修羅たちを倒すには心許ないが、地獄牙兄弟も決して阿修羅達の力を軽視していた訳ではない。
むしろ阿修羅達とまともに実力勝負したくないと判断したからこその作戦を、この先に用意している。
邪兵影鋭らをけしかけたのは、せいぜい倒せれば儲け物の挨拶代わりといった所だろう。

105

仁王頑駄無(ニオウガンダム)

1992.9

軽装タイプに鎧を装着した仁王頑駄無を変形させて武器鳥モードにできるキット。
阿修羅の流用ではないが、軽装タイプの頭部や手足は阿修羅と共通の意匠。
いわゆるジュエルシールが初登場。(この時の名称は宝玉シール) その代わりメッキパーツはない。
武器鳥モードへの変形は飛鳥の楯が主要部分を占める外観となるが、頑駄無本体は武者風雷主のようにバラバラにはならず、内蔵した可動部を使用して変形する。

仁王(すなわち金剛力士)の原型はインドでヴァジュラダラまたはヴァジュラパーニと呼ばれる執金剛神(または金剛手)であり、
ヴァジュラ(金剛杵)を持つものという意味を持つ。
説明書の改造作例は激闘の大蛇飛駆塞虫の時点でかなりハイレベルな改造だったが、
今回の地獄牙兄弟ではついにフルスクラッチ。もはやこれで「改造倶楽部」と言われても・・・。

連動キット・104 106 107 116 144

コミックワールド[99]

阿修羅頑駄無らは龍・牙髄より新たな力を授かり、地獄牙兄弟の待つ武里守勉城に乗り込んだ!

地獄牙兄弟はいつの間にか武里守勉城を乗っ取ってしまっているが、阿修羅たちも龍・牙髄から和魂と法力を授かり、
さらに璽武狙撃手と璽武戦闘兵の増援を手に入れた事でその戦力も強化された。

だが対する地獄牙兄弟も、まず王室から鐘馗頑駄無の存在をなくして政権転覆を宣言し、
更に打って出るであろう阿修羅達への対抗策としてあえて鐘馗を殺さず人質に利用するという戦術は周到で、狡猾でもある。
阿修羅にとっては脅威であると同時に、このような者が身内にいたのは残念だろう。

106

不知火頑駄無(シラヌイガンダム)

1992.10

軽装タイプに鎧を装着した不知火頑駄無を変形させて武器獣モードにできるキット。
また、阿修羅、仁王と合わせて<三位一体モード>に合体する事ができる。
さらに3キットの楯が集まって合体した光輝の楯に三位一体モードを乗せる事もできる。

宝玉シールなどの仕様は仁王と共通。軽装タイプの頭部形状はこの時点で既に阿修羅、仁王とは異なる。
変形は頭部が縦に回転するという、仁王と同様本体内の可動軸を利用した方式。
「不知火」はインド神話と直接的には特に関係ない。

連動キット・104 105 107 116 144

コミックワールド[100]

地獄牙兄弟は倒され、 鐘馗は救われた。そして三国の勇者は、黒守暴穏島に集結する・・・

地獄牙兄弟に鐘馗を捕らえる力を授けたのが闇大帝なら、阿修羅達に地獄牙兄弟を倒すための力を授けたのも光の三人衆の龍・牙髄だった。
それでも国の未来を決めるここでの決着は地上の者に任せ、光と闇の直接対決は黒守暴穏島まで持ち越される事になる。

武力による外交を主張していた地獄牙夜叉がもしクーデターに成功していたら、赤流火穏が他の国に戦争を仕掛けていた可能性もある。
影舞乱夢、天宮に比べれば短期戦と言える赤流火穏の事件だが、一歩間違えれば世界を巻き込んだ戦乱に発展していたかもしれない。
各章のラストシーンが全て同じ場所を目指していた事も明かされ、最終決戦を予感させる。

第四章 地上最強の決戦!

107

頑駄無大光帝(ガンダムダイコウテイ)

1992.11

封印状態や光帝鳳に変形できる頑駄無大光帝のキット。
白龍、衛府弓銃壱、阿修羅の和魂を額に装着する事も出来る。(それがなくても、キットに付属の蓄光の和魂を装着できる)
また、天龍馬、最強破壊砲、光輝の楯を全て装備して完全武装形態にする事もできる。

通常商品のほかに、店舗限定(イトーヨーカドー)で地上最強編10体セット版が存在するとされる。
(この10体セットは更に懸賞品としてやまと虹一氏描き下ろし特別パッケージ版も存在するようである)

メッキ、クリアー、蓄光パーツ、ジュエルシール、プリズムシール、クリアーシールなど特殊素材が充実し、BB戦士最高額を塗り替えた。
当時システムインジェクションの名で呼ばれていたバンダイのお家芸も使用され、一つのパーツが複数色で成型されている。
キットでは実装されなかったギミックだが、一部のイラストでは光帝鳳の翼を大光帝の背部に装着しているものも存在する。
大光帝の台座も兼ねた闇大帝頑駄無の紙製ポップも付属。
ボックスアート彩色は開田裕治氏で、「開田裕治画集ガンダム編」には見開きで掲載されている。

連動キット・97 98 99 101 102 103 104 105 106

コミックワールド[101]

三つの和魂により復活した頑駄無大光帝と、闇大帝頑駄無との壮絶な激戦。今、地上最強の戦いの幕が下りる。

三代目大将軍と復活闇将軍の時と同じく、またもや同タイミングでの復活となってしまった光と闇。
よって最終的な決着は大光帝と闇大帝の対決に委ねられる事になった。

闇大帝の配下である闇の三人衆が三国の戦いの裏で糸を引いていた事も判明した。
黄虎璽のみ活動開始時期が他の2陣営よりかなり早いなどの疑問もあるが、
そもそも闇の三人衆が黄虎璽、大蛇飛駆塞虫、地獄牙兄弟と単純に同一人物(生まれ変わり)と言い切れるわけでもない。
争魂を探すために魂のみ黄虎璽達の肉体に乗り移っていた(その後遮光が再生させた黄虎璽、大蛇飛駆塞虫、地獄牙兄弟の方が
まさしく黄虎璽達の「生まれ変わり」だった)という線も考えられない話ではない。

そして決着は大光帝と闇大帝どちらの勝利でもなく、両者の融合、そして消滅である。
闇大帝には消滅を望む意思はなかったようだが、大光帝としてはこれまでの戦いで三国にのさばる悪は全て倒され、
そして国を担う新たな指導者も誕生したため、彼らになら新たな時代を任せられると判断し消滅を選んだのだろう。
かくして大光帝と闇大帝という存在、そして戦いという試練は共にその役割を果たし終えたのである。

108

雷帝千生神将軍(ライテイセンナリシンショウグン)

1993.1

千生将軍と超伐折羅曼蛇のセットで、千生将軍と超伐折羅曼蛇を合体させて雷帝千生神将軍にできるキット。
千生将軍は千生大将軍からの流用(成型色はパールオレンジに変更)。
限定商品については千生大将軍の項を参照。

ザクレロヘッドバージョンや千壱将軍など数々発表された千生シリーズの最強形態としてデザインされ、名称決定までには難航した。
このあたりのプロジェクトは主に元祖SD担当のダルタニアン岡崎氏が携わった。実際、雷帝千生の方は元祖SDでも発売している。
千生大将軍とは逆に鎧の大部分がメッキで、千生将軍部分はメッキではないが、そこだけ千生大将軍のものに入れ替えてみるのも豪華でよい。

連動キット・133

コミックワールド[102]

サラマンダーが新しい力を得たという超伐折羅曼蛇に、千生は不吉な予感を感じた!

PART94の続編と思ってよさそうなギャグ作品。
武者怪獣はこれ以前にコミックワールドが書籍化された際に書き下ろされたマンガ(同『スペシャル』『ウルトラスペシャル』にも収録)
にも登場した謎のキャラで、『ウルトラスペシャル』で全身の姿が公開された。

千生は変身時の落雷で黒コゲになっているが、炭化しているという事は有機物である(炭素が含まれている)という事だし、
全治6ヶ月という事は、自然治癒力も持っているという事である。ついでにバナナも食べる。
SD戦国伝のキャラクターを「生物」といえるか否かについて考える際に、妙に重要な要素を多く含んでいる気もする回。
ちなみに他にも生物学的に生物とみなすか議論の対象となる代表的な条件は、自己再生産(子孫を残す事)である。
もちろんそんな事は考えなくても作品は楽しめるのでどうでもよいのだが。