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BB戦士目録&SD戦国伝各話解説

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新SD戦国伝 伝説の大将軍編

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新SD戦国伝 超機動大将軍

超SD戦国伝 武神輝羅鋼

超SD戦国伝 覇大将軍

発売月は出版物などの資料を元に記述していますが、地域や店舗などによって発売日が異なっていた場合もあります。

No.73 75 76 77 79 80 83 85 87 88 89 90 91 93 94

SD戦国伝 天下統一編

「SD戦国伝」第3シリーズで、第一期「SD戦国伝」最終作。
BB戦士の他に元祖SDガンダム、カードダス等で展開した。同タイトルのゲームボーイソフトも発売。
コミカライズとして『SD武者ガンダム風雲録』(デラックスボンボンに連載)がある。

前作の最終回で主人公が飛ばされた見知らぬ土地が舞台で、当初はその舞台の正体について伏せられており、
一部ではそれまでと別の地域のようにも書かれたが、中盤でそこが「武者七人衆編」よりもさらに昔の時代であることが明かされた。
そして、3作に渡ったストーリー全てに決着がつけられることになる。

キットとしては平均身長がやや大型化されたほか、成型色も全体的には前作よりもさらに増えた。
(いろプラ表記のキットが多くないのは、ランナー自体の枚数が多く1枚のランナーに複数の色を混在させる必要がなかったからである。)
さらにポリキャップやシールなど、多方面に渡って革新されている。

73

新荒烈駆主(ネオアレックス)

1991.3

成型色を変更した武者荒烈駆主と、新規造型の「地の鎧」と「地帝の神器」のセットで、
武者荒烈駆主を新荒烈駆主に換装し、さらに地帝の神器を装着して戦闘形態にできるキット。
通常商品の他に、1991オールガンダム3DコンテストUの賞品としてゴールドバージョンが存在するとされる。

もともと成型色の多かった武者荒烈駆主に更に2色追加しているため、驚異の7色成型。
メッキも含めれば9色でカラーリングされており、同価格帯ではダントツの色の多さとなる。

ギミック的にも武者荒烈駆主のパーツは全て入っているため、元々武者荒烈駆主で再現できた3形態に加えて2形態が再現でき、親子共々ギミックが多い。
角飾りには緑色のメッキが使われ、それまでの金メッキや銀メッキに代わり鎧の色と対応したカラーメッキが使われるようになったというのは画期的。

同時期に発売された『天下統一編 導きの巻』セット内の「光の巻」に掲載の家系図は新荒烈駆主の部分があえて空欄になっており、
このキットのホイルシールの中のイラストのシールを貼る事で完成させることができた。

連動キット・88 123 128

コミックワールド[67]

見知らぬ草原で目覚めた荒烈駆主は、鳳凰と雷という二人の兄弟に出会った。

この価格帯でコミックワールドが1ページなのは初めてで、ページが大きいのにコマ割が四段構成なのも初めてだが、
それでも新たなストーリーの始まりを感じさせるには十分な内容。
何より新作の第1話でありながら、前作の最終回からそのまま切れ目なく続いている展開が斬新である。

これまで平仮名であった「荒烈駆主」の振り仮名がこの回からカタカナとなる。
しかし鳳凰や雷などは平仮名で、キャラクターによって使い分けられている。

荒烈駆主が新荒烈駆主となる瞬間は、初となるコマ枠三方ブチ抜きの構図で表現された。

74

ガンダムF91

75

鳳凰頑駄無(ホウオウガンダム)

1991.4

軽装タイプに鎧を装着できる鳳凰頑駄無と天帝の神器のセットで、
鳳凰頑駄無に天帝の神器を装着して戦闘形態にもできるキット。

それまでの約2mm径のポリキャップに代わり、三代目大将軍でも使われた約3mm径のポリキャップが導入されたほか、
足の付け根にはボールジョイントも使われるようになった。武器のグリップも太くなって強度が増しているが、
特に目を引くのは目のシールの瞳の形が格段に箱絵やコミックに近くなっていることである。

角飾りのメッキはやはり鎧と同じ色の赤。
新荒烈駆主は流用商品だったため、天下統一編以降の新機軸が本格的に導入されたのはこの商品からである。

連動キット・123

コミックワールド[69]

鳳凰頑駄無は地の鎧に選ばれた荒烈駆主を強者と見極め、鎧の秘密を教える。

前回で「ここはすぐ戦場になる」と、敵が来ることは分かっていたのに、殺駆の軍勢もいることは今回初めて知ったようで、
鳳凰たちと殺駆の軍勢はそれぞれ独自に行動しているらしいことが分かる。(同じ屋敷に住んでるのに)

「ハッハッハ」は口癖なのか、前回に続いてよく笑う鳳凰頑駄無。
荒烈駆主は「刀も無しにどうやって戦うのです?」と言っているが、前回で鳳凰たちに振り抜いたのは刀じゃなかったのか。
しかし突然背部に刀が出現し、前回以降状況についていくだけで精一杯という印象。

76

雷頑駄無(イカズチガンダム)

1991.5

軽装タイプに鎧を装着できる雷頑駄無と雷帝の神器のセットで、雷頑駄無に雷帝の神器を装着して戦闘形態にもできるキット。

角のメッキの色は青。デザイン的に鳳凰と共通性を持ちながらもシンボルカラーが対照的で、並べると様になる。
将頑駄無の若い頃という設定は目の色にも現れている。
他にもマスクの正中線のエッジが緩やかなことなど、将頑駄無や武者、農丸、三代目大将軍等のキットに共通する特徴も持つ。

同時期の円卓の騎士のキット同様、従来のガンダムタイプMSとは根本的に構造が異なると思われる腰アーマーなど、SD独自のデザインラインの確立が見て取れる。

連動キット・123

コミックワールド[70]

殺駆の軍勢に迫る飛駆塞虫に、鳳凰と雷の必殺技が炸裂した!

戦闘シーンのなかった前回、前々回と打って変わってほぼ全編に渡って戦闘を描いた作品。
特に、飛駆塞虫に武神の矢が命中してから倒れるまでを4コマに分けて描く描写が特徴的。
劇中描写からは全く分からないが、この時飛駆塞虫には龍将と飛将が乗っていたようである。

武神は厳戒の弓から放つ矢で飛駆塞虫を撃破しているが、彼が邪滅の矢を何本持っていたかは不明(普通は1本しかないと思うが)、
1本しかなかったとしてもそれを何度も再使用できるものなのかも不明(普通は使い切りだと思うが)。
よってこの時使ったのが邪滅の矢であるかどうかも、正確には不明(普通に考えると邪滅の矢ではないと思うが)。

77

武神頑駄無(ブジンガンダム)

1991.6

軽装タイプに鎧を装着して武神頑駄無にでき、一部の鎧と武器を組み合わせて阿修羅の神器にもできるキット。

武芸の達人というだけあって、武器類が充実している。
特に盾は持ち手に関節が組み込まれ、自由な角度で持たせる事ができるなど他のキットのものより凝っている。
8個ものパーツで構成される兜はメッキも含めれば3色で成型されているなど未塗装での完成度も高く、
あまり他のキットでは見られない珍しい成型色も多く使用している。

さらに異国人ということで目のデザインに変化をつけているところも細かい。
武者精太、二代目将頑駄無などに続く、SD戦国伝三部作における「精太の系譜」の最後を締めくくる商品(ただし時代的には最も先祖)。

コミックワールド[71]

武神を仲間に迎えた鳳凰を待っていたのは、血相を変えた百ノ進であった。そして荒烈駆主が知ったのは・・・

再び戦闘シーンがなくなり、ストーリー上の重要なターニングポイントを1ページ使ってじっくり描く。
この緩急もコミックワールドの魅力である。

「大将軍」という言葉を聞いただけで、今ここが初代大将軍誕生の瞬間であるということに気づいた荒烈駆主は中々の知識と状況判断能力。
でもその割には、鳳凰や雷など歴史上の重要人物については知らなかったのだろうか。
(ちなみに、バンダイ発行のものも含むいくつかの資料には、この時記憶を失っていたという記述もある。)

ところで、武者璽悪のコミックで時隠に差し掛かる辺りから、今回(厳密には次回の最初のシーン)くらいまで、ストーリー的には全くといっていいほど切れ目がない。
荒烈駆主は気を失っていた時間以外には特に寝る暇もなかったと思われるが、何時間ぐらい経ってるんだ?

78

皇騎士ガンダム

79

初代頑駄無大将軍(ショダイガンダムダイショウグン)

1991.7

成型色をパールカラーに変更した鳳凰頑駄無と、大将軍用の「光の鎧」のセットで、
軽装タイプに光の鎧を装着して初代頑駄無大将軍にできるキット。
通常商品のほかに1991オールガンダム3DコンテストUの賞品としてゴールドバージョン、
黄金の英雄版として金メッキ版、白鋼四大将軍の陣セットとして銀メッキ版などが存在するとされる。

初期出荷分には四獣王にまつわる予言の暗号文を印刷した紙と、暗号の解読札(「導きの巻」と同様の物)が付属していた。
当時発売されていた天下統一編のカードダスに掲載されていた暗号も、解読するにはこの解読札が必要であった。

このデザインの源流は結構古い。
武者七人衆編当時、武者頑駄無たちの頭領となる「大将軍」のデザイン案は複数存在し、そのうちの一つは
実際にコミックボンボン89年4月増刊号掲載の「SD武者ガンダム風雲録」に登場したり、シルエットとして各種媒体のイラストに使用されたりもした。
その後改めて決定稿となったのが現在知られる二代目大将軍のデザインであり、前述のコミックも
ボンボンスペシャル38「SD武者ガンダム」の初版に掲載された「〜風雲録」はボンボン増刊号と同じくNG版大将軍が登場するバージョンだったが
同書の第二版や「風雲録」単行本1巻などでは該当部分のキャラが将頑駄無に差し替えられたりした。
一度世に出た後で没になるという憂き目に遭った先述のデザインだが、それを元にリファインしたのが
1990年以降にボンボン等で発表された「初代大将軍」であり、それをようやくキット化した形になる。
説明書にはないが光輪の裏には天光剣の鞘を装着できるようにもなっている。

連動キット・123

コミックワールド[73]

鳳凰頑駄無は大将軍となり、黒魔神に決戦を挑むことを決意した!

前半エピソードとしては珍しくページ数が2ページになり、内容の詰まった一編。
初代大将軍が黒魔神と戦って死ぬという自分の未来を知りながら、それでも戦う事を決意した時、荒烈駆主は自分が何のためにこの時代に送られてきたのか、その使命を理解した事だろう。
しかし三代目大将軍は自分が過去に行って黒魔神を倒すのではなく荒烈駆主を向かわせたあたり、やはり荒烈駆主は何か特別な存在なのではないかと思えてくる。

大将軍と殺駆の軍勢が出陣するシーンで、土煙に紛れているがよく見ると殺駆の後ろに技連と怒鋭と思われる人影もいる。

黒魔神に捉われた殺駆に「俺に構わず奴を!」と言われた雷は「そんな事は・・・」と躊躇っている割に、
その直後(5コマ後)には容赦なく突撃している。まあ、殺駆も死ななくて良かったけど。

80

獅頑駄無(シシガンダム)

1991.7

軽装タイプに守護獣「白獅」を合体させた獅頑駄無を、変形させて獅王の陣にもできるキット。
通常商品の他に、1991オールガンダム3DコンテストUの賞品としてゴールドバージョンが存在するとされる。

武者駄舞留精太、火炎の駄舞留精太に連なる、銃を象徴的な武器として持つ「駄舞留精太の系譜」の3体目(武者影駄無留精太も数えれば4体目)。
久しぶりにメッキがなく、成型色も少ないが変形や合体のギミックが面白い「四獣王」の第1弾。

特殊素材の「たてがみシール」は、説明書では先端をカットして筆先のような形状にしてみるといいとも書かれているが、
箱写真では切らずにそのまま貼っている。作り方に「正解」が存在しないという点は、BB戦士の特徴でもある。

BB戦士としては新たに導入された「ランナーロック方式」は、パーツを組む工程を短縮できるという意味では画期的だったのだろうが、
ゲートも二つ重ねになるため、切り取り易さにやや難あり。以前はムサシロードのキットなどにも導入されていた。


連動キット・127

コミックワールド[74]

光の巻に不吉な予言が出現した事を知った大将軍と雷は、伝説の四獣王を捜す旅に出た。

一つの戦いが終わり全く新たな展開が始まる、天下統一編の新章。

「闇の再来」が予言されたことで、黒魔神が完全には倒されていなかった事は示唆されたものの、
初代大将軍と雷が四獣王を求めて旅立った事で、元の歴史にはなかった新たな歴史が動き始めた。
しかし元の歴史でも将頑駄無が四獣王の息子達と出会い、共に戦っているため、四獣王と出会ったこの時点ではまだ元の歴史と近似した運命を辿っているに過ぎないのだろうか。
だが「光の巻」は前回で既に璽威武装の事も予言しており、荒烈駆主を起点として少しずつ新たな未来も見え始めている。

守護獣単体が唯一劇中で登場している。

81

鎧騎士ガンダムF90

82

スペリオルランダー

83

龍頑駄無(リュウガンダム)

1991.8

軽装タイプに守護獣「紅龍」を合体させた龍頑駄無を、変形させて龍王の陣にもできるキット。

武者仁宇、疾風の仁宇と、もともと龍的なイメージが強かった仁宇の系列の中でも、頭自体が龍という、最も直球なデザイン。

BB戦士が素材にこだわり始めた時期で、その後定番素材の一つとなる「ガラス玉」
(レンズの役割をして奥にある文字を浮かび上がらせるギミックも持つ)が初めて使われた。

顔の造形は、この頃から急激にレベルアップしている。

連動キット・127

コミックワールド[77]

龍鳴寺で大将軍達を待ち構えていた狩刃電威有破。そこに現れた謎の和尚の正体は・・・

四獣王は大将軍たちに向けて敬語を使う者もいれば、使わない者もおり、結構それぞれ性格が違うようである。
そして敬語を使わない者ほど、大将軍たちに試練を与える傾向にある。

住職に扮した龍頑駄無に「どきな、怪我するぜ」と無関係の人を巻き込まないようにした我流速侍影は、意外といい人?
それゆえ龍頑駄無も怒嵐銃を命中させずに、威嚇だけで済ませたのか。

84

Vコマンドガンダム

85

犀頑駄無(サイガンダム)

1991.9

軽装タイプに守護獣「紫犀」を合体させた犀頑駄無を、変形させて犀王の陣にもできるキット。

武者斎胡、巨山の斎胡に続く斎胡の系譜の3体目(武者砕虎摩亜屈も含めれば4体目)。
やはりその後のBB戦士で度々見られる、暗闇で光る「蓄光樹脂パーツ」を通常商品として初めて使ったキットで、これも含めて5色成型(いろプラ)。
よっていろプラ、ランナーロックと、この時期のBB戦士の最新技術を結集したような商品。

四本足にならない「犀王の陣」や下顎のないカブトの形など、ほかの四獣王とちょっと一線を画している。

連動キット・127

コミックワールド[79]

犀の河原に辿り着いた大将軍と雷は、川の水が引いていく現象を目にした。

全編夜を舞台にした珍しい作品。
暗闇の中でツノを光らせて飛び降りてくる犀頑駄無がカッコよく、
数ある蓄光キットの中でも最もギミックをコミック内で効果的に描いている。

瞬発の銃、神秘の槍に加えて豪力の盾と呼子笛も渡され、どんどん荷物が増えていく大将軍たち。
ただでさえ大将軍は常に光輪を背負っていて重そうなのに・・・。
我流速侍影は三度目の登場で、結構活躍(?)している。

86

麗騎士

87

影荒烈駆主(カゲアレックス)

1991.10

ガンダムNT-1の成型色変更と新規造型の「月光の鎧」のセットで、
アレックスと影荒烈駆主のどちらかに組み立てられるキット。

コミックボンボン他各所で公募され、ボンボン91年6月号で結果発表された「武者影荒烈駆主デザインコンテスト」の優勝作をもとにした商品。
ちなみに受賞者は同月発売のガンダムマガジンNo.6でも賞を取っている実力者であった。

追加パーツの分値段が上がっているのが武者影らと異なる点であるが、新規造型の月大目牙が付属しているなど、武者影達よりは新規要素が多い。
三代目大将軍用のバトルマスクも付属。三代目は砕虎摩亜屈とこのキットを揃えて初めて真のフル装備となる。
大福将軍を作れるパーツでもあり、これで大河機は農丸に続いて大福将軍もプラモで再現できるようになった。

連動キット・67

コミックワールド[81]

元の時代に還ってきた荒烈駆主は、存在する筈のない光景を目にする。それは白昼の悪夢であった。

二手に分かれたストーリーのもう一方、三代目大将軍のコミックよりも未来を描いた二部作。
過去で黒摩神を倒したはずなのに、未来で大将軍が闇皇帝に敗れた事になっているのは、過去に飛んで黒魔神と合体した闇皇帝がこの時点では一枚上手だったという事か、
それとも闇皇帝が来なくても黒魔神は元の歴史と同じように復活する運命だったのか。

1コマ目に璽威武装が登場しているが、荒烈駆主と璽威武装の体長差はキットとほぼ同様に見える。
キットのように合体することはできても、さすがに「乗り込む」事はできないのでは・・・(SD武者ガンダム風雲録では鎧を着た新荒烈駆主がコクピットで操縦するシーンもあった。)

88

武者璽威武装(ムシャジイアーマー)

1991.10

成型色を変更したGアーマーに光空戦闘機などの新規造型パーツを加えたもので、Gアーマーと武者璽威武装の
どちらかに組み立てることができ、武者璽威武装には武者荒烈駆主か新荒烈駆主のどちらかの軽装タイプを合体させられるキット。

別に荒烈駆主を買わないと箱絵の状態さえ再現できない、ある意味荒烈駆主の拡張パーツ的なキットだが、
光空戦闘機などがついているので単体商品としても成立している。
成型色は5色もあるが、2色以上を混在させたランナーが存在しない(多色成型機を使用していない)のでいろプラ表記はされていない。

BB戦士としては珍しく、手足のあるキャラクターでないメカニックのキットだが、Gアーマーのパーツは全て流用されているため、ガンダムもついている。
ノーマルBBとGジェネのGアーマーは金型の都合でガンダムの胸部がGパーツのボディと同じダークブルーになっているが、このキットではそのランナーが
コバルトブルーになっているため、このキットのガンダム胸部に先述のGアーマーのキットの黄色いダクトフィンを組み合わせて作れば設定に近くなる。

連動キット・51 73 146

コミックワールド[82]

頑駄無軍団の全滅を知り希望を失った荒烈駆主に、影荒烈駆主は大将軍の遺した密書を手渡す。

密書で「"再び”時を超えること」と表現している事から、荒烈駆主を八紘の陣に飛び込ませた三代目大将軍は彼が過去に向かった事、そしてまた未来に帰ってくる事を予見していたようである。
しかし、考えてみるとその三代目大将軍の行為は全て歴史が変わる前の世界で行われたことであり、荒烈駆主が今いるこの世界はある程度歴史の変わった世界である。
すなわち、このような内容の密書を書いたこの世界の三代目大将軍は、初代大将軍の時代に未来から荒烈駆主が来た事、その荒烈駆主により歴史が変わっている事、
その荒烈駆主を送り出した三代目大将軍(つまり歴史が変わる前の世界の自分)の遺志などのいずれか、または全てを把握していた可能性があり、まさに神業といえるかもしれない。
(もっとも、歴史が軌道修正されてこの時代までの間に元と全く同じ状況になってしまったとしてもこのような状況は発生し得るが)

荒烈駆主が武者荒烈駆主の姿で登場するのはこれが最後だが、初登場以来画風が変化し続けたことで、
この頃の荒烈駆主がプロポーション的にもベストな武者荒烈駆主。

89

隼頑駄無(ハヤブサガンダム)

1991.10

軽装タイプに守護獣「青隼」を合体させた隼頑駄無を、変形させて隼王の陣にもできるキット。

武者摩亜屈、密林の摩亜屈に続き、やはり鳥がシンボルであるデザイン。
関節が仕込まれて自由に可動する翼や隼王砲など、巨大なパーツが特徴的。

密林の鋼爪は金属製で、スプリングのように弾力が必要なわけでもなく、エッチングのように薄いわけでもない、
質感や重量感のためだけに金属を使用するというのはプラモデルとしては珍しい。


連動キット・127

コミックワールド[83]

舞鳥峠で大将軍と雷が助けた一羽の隼が、突然喋り始めた。

四獣王のエピソードを四連続で描かず、もう一方のストーリーと並行するように描くことで天下統一編の物語は重層な物になっている。

動物を助けると笛を吹く場所を教えてもらえるという内容が、密林の摩亜屈の四天王伝説の書にも似ている。
ところで、鳥を無視して自力で見つけて吹いても来てくれたのだろうか?

隼頑駄無が舞い降りてくるシーンで、
漫画なのにハレーション(光線のにじみ)を絵で描き込んでいる所がちょっと映画的。

90

龍将飛将(リュウショウヒショウ)

1991.10

龍将と飛将のセットで、2体を合体させて龍将飛将にできるキット。

天下統一編はこれまでに比べると悪役の立体化が少ないが、1キットで複数のキャラクターを再現できるものが多い。

メカニックなどの合体でない、2本足のキャラクター同士が合体する初のキットで、合体前後ともプロポーションは良好。
合体後の腰アーマーに形成される縦並びの「龍飛」という字は、UnicodeでU+2A6A2の(シフトJISでは表示できない)
一つの漢字であり、説明書の表紙にもこの漢字が記載されている。

コミックワールド[84]

暗黒軍団残党の動きを聞いた大将軍が地図を見た時、悪無覇域夢山の場所の謎が解けた!

謎掛けを解かないと場所が分からないということは、悪無覇域夢山はこの時代にはまだあまり知られていない山のようである。
元々暗黒軍団の本拠にほど近い場所だった事もあり、就任したばかりの初代大将軍らにとっては
この時代まだ未開の地も数多くあったのだろう。

龍将と飛将は前回登場したときとは若干デザインが異なるが、それは設定変更なのか、それともパワーアップしたためか。
「天下統一編 導きの巻」のポスターでは、龍将と飛将が初登場時のデザインで描かれているため、これを参考に改造するのも面白い。

91

豪華初代頑駄無大将軍(ゴウカショダイガンダムダイショウグン)

1991.11

軽装状態に兜などを装着できる大将軍と獣王神器、および炎鳳凰のセットで、
大将軍に獣王神器を装着して完全武装にでき、大将軍と炎鳳凰を合体させて大鳳凰にもできるキット。

二代目(及びDXバーサルナイト)に続く大型商品で、BB戦士としての最高額を更新した。
SD戦国伝としては農丸頑駄無 天地大河スペシャルに次ぐ史上2番目の商品名の長さ(当時)で、キャラクター自体を指す名前としては通常商品では最長。
鎧の着脱機能を廃した代わりに雷撃針の展開ギミックがあり、他にも八紘の光輪の回転ギミックや
レバー操作で目を心眼モードに変化できるというGアームズで定番だったギミックを用いるなど、
大きさを活かしてギミックを詰め込まれており、当初は半完成品として発売される予定だったというのも頷ける話。

二代目の様にサイズのみの違いではなくデザイン面でも細かく変更が行われているが、
一つの作品で同一人物のキットが三つ発売されるというのも珍しい。
こちらもいろプラ表記はされていないが成型色はメッキを含めて7色。

コミックワールド[85]

龍将飛将率いる暗黒軍団との激闘の中、四獣王の神器が大将軍に真の力を目覚めさせた!

2ページ構成の上にページの大きさもこれまでで最大サイズの巨編。
敵味方含めて多くのキャラクターが登場する一大合戦エピソード。

龍将飛将は部下に「大将軍を討ち倒して名を上げるがいい!」と言ってるものの
自分でも大将軍たちを銃撃しており、本当は部下に手柄をくれてやるつもりはないようである。
百ノ進は戦闘に参加するのは初めてだが、滅殺荒をぶッた斬っており、結構強い!

殺駆は虐風乱に目を射抜かれているが、そこがちょうど殺駆頭が眼帯をしているのと同じ位置であるという細かさ。
(つまり、殺駆頭が眼帯をしてるのはこの傷が原因かもよ?という演出である。)

箱絵と同じ構図の絵が登場しているのも珍しい。
それはともかく龍将飛将相手に豪華大将軍となって立ち向かうのは、さすがに圧倒的過ぎるだろう。

92

灼騎士F91

93

黒魔神闇皇帝(クロマジンヤミコウテイ)

1991.12

黒魔神と「闇の本体」を合体させることで、黒魔神闇皇帝にできるキット。
黒魔神の一部と闇の本体の一部に闇皇帝の金型を流用している。
元々武者七人衆編のキットとしては大きい方だった闇皇帝を、パーツ交換で
もう一回り大きく見せているため、通常の天下統一編キットと同等以上のサイズとなっている。
合体すると前後に伸びるため、やはり同価格の大将軍よりは大きく見える。
腕が長くて三本爪になるなど、闇皇帝のモンスターモードよりも怪物的で凶悪なデザイン。

闇皇帝のパーツは全て入っているが、黒魔神として完成させた後に闇皇帝に組み替えることは難しいため、
説明書でも闇皇帝も作れるようには書かれていない。(よって、黒星剣などのパーツは余りとなる)

連動キット・131

コミックワールド[87]

闇を滅ぼす力を大将軍に与える為、辿り着いた山頂で雷頑駄無は祈りの弓を引く。

ラスボスがついに姿を現した上に四獣王も登場し、
巨大なコマの各所に10人以上のキャラクターが描きこまれて戦いを繰り広げる
パノラマ的な構図はコミックワールド史上に残る名画といえる。

最初に悪無覇域夢山に来た時には夜だったが、山頂に着く頃には夜が明けており、
登るのにかなり時間が掛かっていることが分かる。下りるのは一瞬のようだったが。

大将軍が山頂に行くまで黒魔神闇皇帝を「足止め」する目的で駆けつけたはずなのに、
完全に黒魔神闇皇帝を「倒す」つもりで戦ってる龍頑駄無のファイティングスピリットも格好いい。

邪滅の矢が登場してついに八つの力が揃っているが、それにしてもよりにもよって、
額に射なきゃいけないなんて。何でそんな危ない所に射なきゃならないんだ!

94

四代目頑駄無大将軍(ヨンダイメガンダムダイショウグン)

1991.12

軽装タイプに鎧を装着できる四代目大将軍を、変形させてスーパーケンタウロス、超破鳳凰にできるキット。
通常商品のほかに白鋼四大将軍の陣セットとして発売された銀メッキ版、超白鋼スペシャリストキャンペーンの賞品としてフル銀メッキ版、
黄金の英雄として金メッキ版、武者多威無掘駆主・弐セットとしてクリア版などが存在するとされる。

一つの作品で大将軍が三つ発売されるというのもすごい。
農丸のコミックを初めとして三部作全てに登場し、最後のキットで大将軍となった荒烈駆主。
SD戦国伝という三作品を全体で見れば、やはり荒烈駆主が主人公ということなのだろうか。

他の大将軍のように支援メカの鳳凰もなく、入っているキャラクターとしては大将軍1体のみであるが、
その分大将軍自体にギミックやパーツが詰め込まれており、デザイン的に迫力のある重装備な大将軍である。
本体を寝かせずに直立したまま変形する超破鳳凰と、超サイヤ人みたいな兜飾りのギミックがポイント。

コミックワールド[88]

究極の姿となった大将軍さえも圧倒する黒魔神闇皇帝。闇に命運が覆われたその時、一条の光が差した。

最終回である。完全な力を手に入れた大将軍も、二人分の闇の力を持つ黒魔神闇皇帝には敵わないのか?
歴史は変えられず、大将軍たちは敗北の輪廻を繰り返してしまうのか?
二手に分かれていたストーリーが再び一つになり、第一作からの全ての戦いに終止符を打つ、戦国伝史上最も壮大な奇跡が起こる。
前回、前々回と2ページ構成が続いたが、今回はついに2ページ半の快挙。

歴代フェニックス(フォートレス含む)の勢揃いも見られるが、四代目大将軍のキットなのにも拘らず
最も大きく描かれているのが初代の大鳳凰なのは、やはり年功序列なのか。

二代目大将軍も久々の登場で、こちらも画風的に洗練されたベストオブ二代目。
初代大将軍は四代目大将軍のことを「荒烈駆主」と呼んでおり、どうやら大将軍になってからも
あくまで本名は元のままのようだ(以降の大将軍もほぼ同じ)。
劇中至る所で描かれる「光」や「闇」を表す効果も、マーカーで描いているとは思えない表現力
(さすがにこの頃はもうマーカーじゃないかもしれないが)。

荒烈駆主が目を覚ますラストシーンがいつ頃の時代なのかはともかく、この最終決戦の後しばらくすれば、
第一話であるムシャガンダムのコミックワールドにあたる時代が違う姿でやってくることになる。
SD戦国伝三部作はこのようにしてループ状の物語を完璧に描ききったのである。

95

キングガンダムII世

96

ガンダムF90 P/V-TYPE