千力頑駄無の説明書には、 「千力は、千生大将軍の生まれ変わりらしいぞ?!」と書かれています。 「らしいぞ」という事は、かなり断定にすら近い書き方です。 当サイトでは、出来るだけ説明書の文章は肯定したいところですが、 この記述はどうなのでしょうか。
この記述の肯定が難しいところは、千生が生きていた時代と 千力が生きていた時代が普通に考えると時代が近すぎることにあります。 まず、千生と飛天、大牙は幼なじみです。 さらに、飛天、大牙と爆流は兄弟です。 そして、爆流は『七人の超将軍編』で千力と共演しているのです。 これでは千力のいた時代が千生のいた時代の直後であっても不思議ではなく、 少なくとも一人の人物が一度死んで生まれ変われるほどの時間はないように見えます。
しかし、このように考えてみてはどうでしょうか?
爆流は、大牙、飛天とすごく歳の離れた兄弟だった!
爆流頑駄無は、大牙頑駄無、飛天頑駄無に続く「からくり一門」三人目の兄弟です。 そして、この三人は大牙のコミックワールドの直後にどうも合流したらしいのです。 この時点で、大牙たちが20代後半だったとしましょう。 そして、このとき爆流がまだ10歳ちょっとの子供だったとしたら、 この二人の間には十数歳の歳の差があることになります。 何しろ爆流はその後「武神輝羅鋼編」の時代近くまでは現役であったらしいのですから、 この時点では「かなり若い」と考えた方が妥当です。
もちろん、そんな子供が一人でうろついていたとは思えませんが、 大牙は「他の兄弟"たち"と合流する」と言っていたため、 この頃の爆流は一人ではなく、おそらくは別の親族と一緒に行動していたのです。
ここで、もし彼らが実の兄弟でなく、志を同じくするものという意味での兄弟だとしたら、 それこそいくらでも年齢は離れる事が出来ます。 しかし爆流の説明書には「爆流は大牙、飛天と兄弟らしいぞ?!」と書かれており、 特に何の但し書きもなく"兄弟"と書かれている以上、実の兄弟と考えたほうが自然です。 そもそも説明書の記述を肯定するためにこの論証をしているのであり、 千力の説明書を肯定するために爆流の説明書を否定したのでは本末転倒なのです。
さて、一方の千生は、大牙のコミックの後、彼らと別れて破悪民我夢に向かっています。 しかしそのしばらく後、彼は突然この世を去ってしまうのです。 理由は不明ですが、新生闇軍団の手に掛かったのかもしれません。
しかし、彼の存在をこれからの時代にも必要と思った天は、彼を生まれ変わらせます。 ちょうどその頃はかつての四人の大将軍の生まれ変わりも次々に生まれており、 新生闇軍団の登場を受けて大将軍に匹敵する強さのものを 意図的に同じ時代に集結させていたのかもしれません。 これによって千力頑駄無が生まれます。
これらの流れを年表的にまとめると、以下のようになります。
註・下表の「武者七人衆編の○年後」の部分は、「このあたりの時代ではないか?」 という大まかな目安を立てているもので、はっきりした根拠があるわけではありません。 よって、殆どの数値は±2〜3年の誤差を想定しながら考えるものとします。
年代
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主な出来事(該当時代の作品名)
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主な人物の年齢
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武者七人衆編の5年前
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真悪参の子供誕生
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武者七人衆編の直前
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真悪参失踪。
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武者七人衆編の15年後
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風林火山編
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殺駆三兄弟50代
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真悪参の子供20歳
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真悪参の孫誕生
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武者七人衆編の20年後
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千生誕生
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武者七人衆編の30年後
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風林火山編の 15年後
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殺駆三兄弟の孫誕生
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武者七人衆編の35年後
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千生大将軍の コミック
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殺駆三兄弟の孫5歳
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千生15歳
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爆流誕生
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真悪参の孫20歳
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真駆参誕生
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武者七人衆編の40年後
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荒鬼誕生 (天下統一編から70年後なので、四代目大将軍が生きていたら85歳。「生まれ変わって」いても不思議ではない)
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武者七人衆編の45〜50年後
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大牙のコミック
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千生 25〜30歳
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爆流 10〜15歳
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大牙 25〜30歳
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武者七人衆編の55年後
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伝説の大将軍編 (大将軍列伝)
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荒鬼15歳
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千生35歳
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爆流20歳
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真駆参20歳
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直後、千生死亡。
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即、千力頑駄無誕生。
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武者七人衆編の70年後
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七人の超将軍編
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荒鬼30歳
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千力15歳
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爆流35歳
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武者七人衆編の85年後
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超機動大将軍編
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荒鬼45歳
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千力30歳
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爆流50歳
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武者七人衆編の85〜90年後
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爆進丸のコミック
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爆流 50〜55歳
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武者七人衆編の90〜95年後
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機動武者大戦
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荒鬼 50〜55歳
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千力 35〜40歳
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爆流 55〜60歳
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こうして見てみると、意外と千力を千生の生まれ変わりとして考え、また大牙のコミックの時点での爆流をかなり若く考えた方が、機動武者大戦登場時の年齢に無理が生じないことが分かります。 千生と千力を同一人物として考え、また千生大将軍のコミックの時点での千生を20代程度、しかも爆流も同年代として考えると、機動武者大戦での彼らの年齢が80代程度になってしまいます。(まあそれを言ったら、烈破と烈空もこの時代かなりの老齢なのですが・・・)
また、上記に示すとおり、ここでは真駆参を真悪参の「曾孫」と仮定しています。 かなりギリギリの計算ですが、曾孫であれば「子孫」と表現されてもおかしくないと思います。
あくまで、「こう考えればつじつまが合う」という話です。 千力に限らず超将軍たちの「生まれ変わり」記述は全て「らしいぞ!?」と、断定を避け、どうとでも取れる書き方をされていますので、別人と考える考え方も充分あります。
しかし、本稿の表題に対する答えとして、千生→千力の「生まれ変わり」説は、「ありえる!」と考えたいと思います。 それにしても、天下統一編から地上最強編までの85年程度(この計算だとそうなる)の間に、旧大将軍家は一体どこに行ってしまったんでしょうね?
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