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 全ての始まりは2億年前に遡る。

 遥か古。悠久の太古より全ての次元を見下ろす”高み”に存在していた二つの意志、“光の意志”と“闇の意志”は、様々な星や次元を舞台に果てしなき戦いを繰り広げていた。

 “光の意志”に同調し配下として戦った次元の中で最も優れた力を持っていたのが、ドラゴの故郷でもある昆虫次元の戦士たちである。数々の技や武器を駆使する彼等は“光の意志”の最前衛として、“闇の意志”の軍勢と戦っていた。その中でも真の勇者の武器とされたビートイングラムは、遥か後、次元を旅する調達屋カブトの手に渡る事になる。

 終わりの見えない戦いの中、“光の意志”はついに一つの決断をする。全次元をも滅ぼすことが可能なまでの“巨いなる力”を造り出すことで、果てなき戦いに終止符を打つ手段に出たのだ。そうして生み出されたのが大甲神カブテリオス、そしてクワガタイタンであった。

 “光の意志”は二つの“巨いなる力”を手に、“闇の意志”との最終決戦に挑んだ。そして激闘の末クワガタイタンは自らの身を犠牲に“闇の意志”を次元の裂け目に葬り去ることに成功し、ついに戦いは“光の意志”の勝利に終わった。

 二つの意志の戦いにより全次元は荒廃し、地球もまた氷に閉ざされていた。勝利した“光の意志”は、聖なる生命の蝶セントパピリアを全次元に放ち、生命たちを復活させた。
 そして“光の意志”は恐るべき破壊力を持つ“巨いなる力”が二度と使用されることがないよう、カブテリオスヤンマゲンジミンアゲハデスコーピオンムカデリンガーキルマンティスビーザックの8枚のメダルによって甲神封印剣アストラルセイバーの中に封じ込め、メダル共々何処へともなく放った。これによりメダルを全て集めなければ封印を解くことは出来なくなったのである。

 だが、最終決戦のために備えを固めていたのは“光の意志”だけではなかった。“闇の意志”もまた壊滅直前、“光の意志”を滅ぼすための二つの切り札を生み出していたのである。一つは、次元のひずみの中で生み出したガオーム。そしてもう一つが、地球で生み出したマザーメルザードである。
 そして“闇の意志”は、ただ滅ぼされた訳ではなかった。二つの切り札に“光の意志”への復讐を託して眠りに着かせ、さらにそれらがいずれ目覚め戦う時の戦力とするために、次元の裂け目の中でクワガタイタンを自身の死と引き換えに黒い力・邪甲神へと変え、ガイストアックスに封印して切り札たちと共に眠らせたのである。

 この“闇の意志”の切り札の存在に気付いた“光の意志”は、昆虫次元の戦士たちにアストラルセイバーを地球にある昆虫の聖地へと運ばせた。そして戦士たちは地球に留まり、闇の申し子たちの眠りを監視しながら、地球上の生命と交錯して子孫を残していった。


 時は静かに流れる。


 そして現代。闇の申し子のうちの一つが、ついに目覚め動き出した。それがガオームである。強大な侵略軍団ジャマールを築き上げたガオームは、あらゆる次元を侵略し始める。次元の歪みの中で生まれたためその生命がどの次元にも適合できず、生きることそのものを困難とさせられたガオームは、彼を拒んだ世界に恨みを抱き、自身の支配下に置く野望を抱いたのであった。ただし時の流れが彼の記憶を失わせたのか、自らが“闇の意志”により生み出された事実を知ることはなかった。

 そしてその魔の手はついに地球に伸びた。地球で繁栄を誇っていた昆虫たちもまた、昆虫次元の戦士の子孫としての記憶はなかったが、本能的に地球を守るべく立ち上がった。そして生命を愛する純粋な心を持つ人間の若者に出会った昆虫界の長老老師は、アースアカデミアが開発していた3体のプロトタイプアーマーに、昆虫の能力の結晶である昆虫の精を吹き込みインセクトアーマーを完成させた。これを3人の若者が重甲し誕生したのが、重甲ビーファイターである。


 ビーファイターとジャマールとの戦いが始まる。永遠の生命をもたらすというセントパピリアを手に入れるため、地球の壊滅を目論むガオームの猛攻により地球は幾度となく危機に晒されたが、地球に生きる全ての生命と共に戦ったビーファイターによりジャマール要塞もろともガオームは滅びた。さらにブラックビートも死闘の果てに倒れ、破壊神ジャグールジャンパーソンブルースワットとビーファイターの共同戦線により倒されたことで、ジャマールは完全に壊滅したのだった。

 地球に再び訪れた平和。だがそれも長くは続かなかった。ジャマール要塞崩壊の瞬間、宇宙空間に生じた次元の裂け目から、ヤンマゲンジミンアゲハの4枚のメダルが地球に飛来した。それは地球に眠るもう一つの“闇の意志”の切り札の目覚めが近いことを察知した“光の意志”によりもたらされたものであった。“光の意志”は次なる戦いにカブテリオスの力が必要になる可能性に備えたのだ。

 そして“光の意志”が予期したとおり、5年という歳月を経た後、マザーメルザードは動き出した。地球上の生物、特に絶滅した種族の化石を取り込みそれを元に生み出した自らの子供によりメルザード一族を編成していたマザーメルザードは、地球を一族の手中に収めるべく、深海より浮かび上がった。しかしやはり自らの誕生の記憶は薄らいでいたのか、邪甲神クワガタイタンの存在を思い出すまでにはそれからさらに半年ほどの時間を費やしてしまうのである。

 地上の侵略を開始したメルザード一族の力は、ジャマールをも凌駕するものであった。しかし地球にもまた、新たなる戦士たちが生まれていたのだ。

 この5年の間にアースアカデミアは、地球に新たなる侵略者が現れる可能性に備え、コスモアカデミアへと発展・拡大し、戦いを終えて眠りに着いたインセクトアーマーを研究のベースとして、それを上回る性能を持つネオインセクトアーマーの開発に成功していた。それがビーファイターカブトビーファイタークワガービーファイターテントウの3つのアーマーである。
 ネオインセクトアーマーを超重甲する候補者はコンピュータによりリストアップされ、その中からアーマー自身が共に戦う同志を選び出した。しかし、クワガーとテントウのアーマーの適合者は見つかったものの、特に戦闘能力に秀でたカブトのアーマーを超重甲するべき人間は、一向に見つからずにいた。新たなビーファイターは、戦士を一人欠いたままメルザード一族との初戦に挑むことになったのである。
 しかし意外にも最後の戦士は戦いの中で見つかった。メルザード怪人に生身で立ち向かった鳥羽甲平をアーマーが戦士として選んだのである。自らの意志とは関係なく選ばれた甲平であったが、地球を愛する正義感によりそれを受け入れ、ここにビーファイターカブトが誕生したのだった。

 新たなるビーファイターとメルザード一族との戦いは、こうして始まった。

 コスモアカデミアは、5年前に飛来した4枚のメダルを回収・分析していた。そしてそれが昆虫の精の結晶体ともいうべきものであることを知った彼等は、その力でネオインセクトアーマーTYPE-Uの開発にも成功した。しかしそれらが適合者を選び出し、実戦配備されるより早く、新たにデスコーピオンムカデリンガーキルマンティスビーザックの4枚のメダルが地球に飛来したのである。コスモアカデミアもそれらのメダルの回収を急いだが、同じく飛来に気づいたメルザード一族によって奪い取られてしまったのだった。メダルを手に入れたマザーメルザードはその力を使って闇の四鎧将ビークラッシャーを生み出した。彼等がビーファイターに挑戦したのと同じ頃、世界各国でヤンマゲンジミンアゲハの4人のビーファイターも誕生し、戦いに加わることとなった。
 
 さらに戦いの中で闇の力の復活とメダルの集結に呼応したアストラルセイバーもついに出現した。8枚のメダルを手にした者に“巨いなる力”を与えるというアストラルセイバーは、争奪戦の果てにビーファイターカブトのものとなり、大甲神カブテリオスは復活した。しかし全ての記憶を取り戻したマザーメルザードにより、邪甲神クワガタイタンもまた復活する。しかもクワガタイタンには、カブテリオスをも上回る力が与えられていたのだ。戦いはさらに激しさを増していく・・・・・・。


1.「超次元昆虫伝説」という名称は第35話に登場。復活したアストラルセイバーが語りかけてきた。戻る
2.劇場版「重甲ビーファイター」に登場。初めジャマールに味方していたが、自らが昆虫次元の戦士であることを知ってBFと共に戦った。戻る
3.「重甲ビーファイター」第35話で初登場。ブルービートを真の勇者として選び、その必殺武器となった。戻る
4.「重甲ビーファイター」第35話で初登場。老師の息子でビーファイターに協力した。戻る
5.第35話で初登場。アストラルセイバーを手にしたビーファイターカブトによって復活し、ビーファイターの最強戦力となった。戻る
6.第38話で初登場。ガイストアックスを手にしたビークラッシャーデスコーピオンによって復活し、カブテリオスと激闘を繰り広げた。戻る
7.「重甲ビーファイター」第44話で初登場。地球が壊滅した時現れるとされた伝説の蝶。ブラックビートとの戦いで死亡した拓也を生き返らせた。戻る
8.第28話で初登場した、4人目のビーファイター。ヤンマのメダルの力で作り出されたネオインセクトアーマーTYPE-Uを纏う戦士。戻る
9.第30話で初登場した、5人目のビーファイター。ゲンジのメダルの力で作り出されたネオインセクトアーマーTYPE-Uを纏う戦士。戻る
10.第31話で初登場した、6人目のビーファイター。ミンのメダルの力で作り出されたネオインセクトアーマーTYPE-Uを纏う戦士。戻る
11.第32話で初登場した、7人目のビーファイター。アゲハのメダルの力で作り出されたネオインセクトアーマーTYPE-Uを纏う戦士。戻る
12.第28話で初登場した、ビークラッシャーの一人。デスコーピオンのメダルの力で生み出された猛毒鎧将。戻る
13.第28話で初登場した、ビークラッシャーの一人。ムカデリンガーのメダルの力で生み出された冷血鎧将。戻る
14.第28話で初登場した、ビークラッシャーの一人。キルマンティスのメダルの力で生み出された魔剣鎧将。戻る
15.第28話で初登場した、ビークラッシャーの一人。ビーザックのメダルの力で生み出された変幻鎧将。戻る
16.第32話でソフィーを守るために出現。敵味方交えての争奪戦の末、最終的にはビーファイターカブトの武器となった。戻る
17.「重甲ビーファイター」第1話で初登場。異次元侵略軍団ジャマールの首領。戻る
18.第1話で初登場。メルザード一族の皇祖女帝。戻る
19.第38話で初登場。ビークラッシャーデスコーピオンが手に入れた。戻る
20.第33話に登場。日本ランドに遊びに行ったらなんと昆虫の聖地だった?戻る
21.「重甲ビーファイター」第1話に初登場。ビーファイターが戦い倒した異次元侵略軍団。傭兵、合成獣、戦闘メカの3軍団から成る。戻る
22.「重甲ビーファイター」第1話に初登場。「老師」という呼称は「ビーファイターカブト」第1話で初登場。白ヒゲいじられキャラ。戻る
23.「重甲ビーファイター」第1話に初登場。科学を平和利用するための全地球的研究組織。戻る
24.「重甲ビーファイター」第1話に初登場。アースアカデミアがジャマールに対抗すべく作り出したが、開発は難航していた。戻る
25.「重甲ビーファイター」第1話に初登場。ビーコマンダーの中に封入されており、重甲することでビーファイターとなる。戻る
26.「重甲ビーファイター」主役3人組。ブルービート、ジースタッグ、レッドルの3人。戻る
27.「重甲ビーファイター」第19話で初登場した、拓也のクローン。拓也との戦いには勝ったがクローンゆえの不完全さから命絶えた。戻る
28.「重甲ビーファイター」第19話で初登場。自らが生み出したブラックビートにより殺されたと思われていたが、実は生きていた。戻る
29.「特捜ロボ ジャンパーソン」主人公。警視庁によって作られたが廃棄されたロボットで、ギルド、ネオギルド、SS-N、帯刀コンツェルンの4つの悪の組織を滅ぼした。上記では省略したがガンギブソンも共にジャグールと戦った。忘れたわけじゃないぞ!戻る
30.「ブルースワット」主役3人組。壊滅した地球防衛秘密組織ブルースワットの生き残り。地球侵略を進めるスペースマフィアに立ち向かい、これを滅ぼした。この辺の記述は要らないといえば要らないのだが、この回があまりにも面白いのでw。戻る
31.第1話で初登場。新ビーファイターが戦う敵。マザーの下、ライジャ、デズルの兄弟を中心に、マザーの子供たちで構成される。戻る
32.第1話で初登場。基地はビートルベース。日本支部長は小山内勝博士。戻る
33.第1話で初登場。コマンドボイサーの中に封入されており、音声コードを入力することで超重甲される。戻る
34.鳥羽甲平が超重甲する。いわずと知れた主人公。戻る
35.橘健吾が超重甲する。主役3人組の一人。戻る
36.鮎川蘭が超重甲する。主役3人組の一人。戻る
37.第28話で初登場。名称としては劇中にはあまり出てこない。戻る
38.第28話で初登場。ちなみに彼らはあくまでメダルがメルザードに奪われたからメルザード戦士として誕生したのであり、メダルの段階では悪でも何でもなかったはずなのであって、果たしてそんな頃からデスコーピオンやらキルマンティスなんつう邪悪な名前だったのかは不明。戻る





参考文献「ビーファイターカブト超全集」(小学館)