カード入力システム コマンドボイサー
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当時価格 |
3300円 |
全長 |
10cm |
ギミック |
カード装填 ホーン展開 音声認識 ライト&サウンド |
造形 |
★★★★★
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彩色 |
★★★★★ |
プレイバリュー |
★★★★★ |
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人類の叡智と自然の力の結晶として誕生した
この小さなハードウェアが、一人の高校生の運命を変えた。
激闘の日々も、巨神との出会いも、全てはここから始まった。
ビーファイターカブトの変身アイテム兼通信機。
本作の多くの玩具に共通するシステムである
「カード入力システム」の代表的商品。
メタルヒーローではビーファイターに続く
2例目の変身アイテムでもありました。
(アクセスロックは……カウントする……?)
劇中のプロップはこの商品に墨入れをしただけの
もののように見えます。
下部は銀メッキパーツの上にスモーククリアの
カバーを被せています。
大きさはちょうどのこの当時のマウスぐらい、
といえば分かりやすいでしょうか。いや分かりにくいか(笑)
インプットカード。奥からカブト用、
クワガー用、テントウ用の超重甲起動カード。
設定的には左側のメッキされたビーファイターの刻印部分が、
「圧縮封入されたネオインセクトアーマー」という事だと思う。
ビーコマンダーにおけるビーファイター人形に相当する部分ですね。
しかし劇中描写ではコマンドボイサーの方が
昆虫の精の結晶として甲平の元に飛んできていた。
パーツの一部分にだけメッキする、
ホットスタンプという技術が使われています。
電源を入れ、下からカードを挿し込むと・・・
それぞれのカードに対応したツノが展開し、
ライト&サウンドが作動する!
角の展開メカニズムの秘訣は、カードの先端形状。
この写真の向きで言うとカード上端に、
それぞれ位置の異なる突起があるのが見えると思います。
コマンドボイサーの5本のツノ全てに独立した
スプリングギミックが仕込まれており、
ツノを全て閉じた状態だと全てのスプリングが
押し縮められた状態でロックされ、
インプットカードを挿す事でカード先端の突起が
そのいずれかのロックを押して解除します。
カブトのカードは中央1本のロックに、
テントウのカードはその両側2本のロックに、
クワガーのカードが両端2本のロックに接触するように
特定の位置に突起が設けられているという仕組みです。
そして同時にLEDとスピーカーが作動します。
写真では点滅動作の一瞬を切り取っていますが、
実際には4つのLEDのうち2つが同時に点滅したり、
一つずつ反時計回りに順番に光ったりと、
これもカードによって異なる動作をします。
まあ要はこんな感じです。
ライト&サウンドの場合のカードの識別は、
この写真の向きで言うとカード上側の
立体バーコードによって行います。
ボイサー内の基盤に2つの通電スイッチが存在しており、
カードに刻まれたバーコードの凹凸の
凸部分がこの2つのスイッチを押しますが、
この時2つのスイッチのどちらかを押す、
または両方を押すという3通りの押し方がある事になります。
凹凸の異なる3枚のカードが上記それぞれの
パターンの押し方をするようになっているというからくり。
さらに、カードを挿し込んだ状態で
右上の(右手で持った場合に親指が来る位置の)スイッチを
押したままコマンドボイサーに向かって「超重甲!!」と叫ぶと
カードを挿した時とは異なるライト&サウンドが作動します。
前作パルセイバーの機構を受け継いだギミックと思われます。
本当はスイッチを押し続けていないと作動しないのですが、
写真では撮影のために一度分解して
スイッチ部分を通電させっぱなしにしています。
この時も、どのカードを挿しているかによって
ライト&サウンドパターンが異なります。
まあたとえばこんな感じです。
(ファイルサイズが500KBを超えていますので表示に時間がかかる場合があります)
このギミックで遊ぶ際は必ず「超重甲!!」と叫ばなければならない!
と言いたい所ですが、説明書でも
「1秒以上のはっきりしたワード」としか書かれてませんので
諸事情により言いにくいという方は他の言葉でも大丈夫ですよ。
ちなみに基盤スイッチの押し方には「どちらも押さない」
というパターンも存在する事になりますが、
このパターン、つまりカードを何も入れない状態で
トークスイッチを押して音声入力しても特定のサウンドが鳴ります。
第1話で甲平の元にコマンドボイサーが飛んでくる直前に
健吾と蘭のコマンドボイサーが甲平に反応した時のサウンドと
同じものです。(説明書によると「通信音」)
ここまで書くと劇中再現としてはほとんど完璧な玩具の
ように見えますが、実は見過ごしがたい問題点が。
音が、あんまり変わらない・・・。
超重甲のサウンドはどのカードを挿した場合も、
字で表すと「ヴルルルルルヴァンヴァンヴァン」という感じで
2つ個体を用意して立て続けに鳴らして
ようやく違いが分かるかな?といった所。
インプットカードガンはカードによって
結構音が違うんですけどねぇ・・・。
総評
劇中にないスイッチ操作でなく、劇中通りのアクションで
変身ギミックを作動させる、という課題に対する
回答の一つといえる玩具でしょう。
これ以前から、変身ポーズ動きをセンサーで感知させたり、
スイッチ操作の動き自体を変身ポーズに取り入れたり、
果てはテレビパワーなんてものもありましたが、
変身の掛け声を利用するというのは画期的。
携帯電話系のアイテムでもっと取り入れればいいのに。
複数のキャラ用の変身アイテムとしても、
そのうちの誰に変身するのかを音の違いでなく
変形アクションの違いで視覚化したのも分かりやすい。
特にこのツノ展開ギミックだけなら電池要らないですしね。
「ビーファイターカブト好きなら楽しめる」どころか、
単純にギミックの充実ぶりが玩具として完成度の高いレベルで、
アイディアの詰め込まれた機構は
この時期他にあまりなかったんじゃないかと思います。
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